"いきなりエイズ"について
"いきなりエイズ"とは
"いきなりエイズ"、とはHIVに感染している人が、自分のHIV感染に気が付かず、そのまま放置して、感染に気づいた時には既に遅く、エイズを発症してしまっていることを言います。
"いきなりエイズ"は治療が困難で予後が大変悪い
現在のエイズ治療は大変進歩してきていますが、エイズを一旦発症しますとこの治療効果はほとんど望めません。
いくら治療効果の高い抗HIV薬でも"いきなりエイズ"になってからではその効果はほとんど期待できません。
"いきなりエイズ"発症前に治療を開始してこそ、エイズの発症を抑えることが可能となり、
"いきなりエイズ"になってからでは遅すぎます。
"いきなりエイズ"発症前の治療効果は?
例えば、HIVに感染してもエイズ発症前に治療を開始した人は120週(2.3年)後の生存確率が99%なのに対して、エイズを発症してから治療を開始した人は120週後の生存確率が
80%まで下がるという調査結果があります。
"いきなりエイズ"を発症する前に抗HIV薬による治療を開始した方が助かる確率が断然高いことを物語っています。
早く治療を開始すればするだけHIV感染前と同じように日常生活を営めることが可能となります。
従ってHIV感染の不安のある行為をした場合、HIV検査を受ける適切な時期が来れば、1日でも早くHIV検査を受けることが大切です。
検査結果が怖いからと言ってHIV検査を受けないことが、よほど怖いということを十分認識してください。
"いきなりエイズ"は本当に多いのか?
2010年1年間で新しく見つかったHIV感染者は1,050人で、エイズ患者は453人ですが、
エイズ患者は当然HIVに感染していますから、HIV感染者の合計は1,503人となり、このうち、453人が"いきなりエイズ"と言うことになり、
割合で言えば、30.1%です。
2009年は29.4%でした。
統計報告されている新規HIV感染者と新規エイズ患者は統計上重複しないように処理されていますので、2008年に新規HIV感染者として報告された人が2009年にエイズを発症しても、
新規エイズ患者としては報告されません。
すなわち、動向調査上の新規エイズ患者と言うのは、HIV感染に気付かないままエイズを発症した場合であり、"いきなりエイズ"と言うことになります。
"いきなりエイズ"の割合は、2000年がもっとも多く、実に41.6%と言う驚くべき発生率となっています。
"いきなりエイズ"の発生率は2000年の41.6%をピークに、ゆるやかに右下がりとなっていましたが、2009年、2010年とまた上昇傾向にあります。
即ち"いきなりエイズ"の報告件数そのものは、ほぼ一貫して右肩上がりで増え続けています。
"いきなりエイズ"は本当に防ぐことが出来るのか?
"いきなりエイズ"を防止するには、HIV検査を受けることしか方法はなく、
HIVに感染して自覚症状はほとんど無いことから自分では感染に気づくことはありません。
また、最近の研究では、HIVに感染してからエイズを発症するまでの期間が短くなってきています。
これは、HIV自身が変異を起こして人間の免疫攻撃から逃げるようになったため、今までよりも体内での増殖スピードが速くなったことが原因と考えられており、
これによって、"いきなりエイズ"の危険性が更に大きくなっています。
HIVに感染してからエイズを発症するまでの機関が短くなっているということは、HIVに感染する可能性のある行為をすれば、"いきなりエイズ"にならないためにも、
必ず早期にHIV検査を受けることが絶対必要ととなります。
自覚症状の有無に関係なく、感染の可能性に思い当たる行為をしていればHIV検査を必ず受けることをお勧めします。
仮にHIVに感染していたとしても、早期にHIV検査を受けて感染が分かれば抗HIV薬による治療によって、エイズ発症を抑えることが可能で、
今まで通りに普通の社会生活を営めることが出来ます。
"いきなりエイズ"を発症してから治療を受けても治療効果はまず望めません。
「検査を受けてもしも陽性と言われれば怖い!」と言って検査を受けないことがもっと怖いことになります。
"いきなりエイズ"とならないように注意する必要性を十分認識しておくことが大切です。
"いきなりエイズ"の現状
@"いきなりエイズ"、とはHIVに感染している人が、自分のHIV感染に気が付かず、そのまま放置して、感染に気づいた時には既に遅く、エイズを発症してしまっていることを言います。
A現在ではHIV治療の進歩により、HIV感染を早期に知り早期に抗HIV剤による治療によって免疫力低下を抑えることができ、エイズ発症を防ぐことが出来るようになっています。
Bしかし、"いきなりエイズ"の場合には、すでに免疫力がかなり低下して発症に至っていることから、この時点からの治療はより困難となり、思わしい治療効果は得られません。
C"いきなりエイズ"を防ぐためにも、HIVに感染する危険性のある行為をした場合は、HIV検査を受ける適切な時期が来れば直ちにHIV検査を受けることが重要です。
Dここ数年来、"いきなりエイズ"の発生率はずっと30%前後で推移しています。
E言い換えると、HIVに感染した人の、3人に1人は自分がHIVに感染していることに気付かず、"いきなりエイズ"を発症していることになります。
F「まさか自分がHIVに感染しているとは思ってもいなかった」と、"いきなりエイズ"と判明した患者は、口々に言っています。
Gこのようにならないためには、
※HIVに感染するリスクのある行為はしない※
※お互いがセイフティ・セックスを心がける※
※相手の性遍歴が分からないときは必ずコンドームを正しく使用して感染予防に務める※
※感染リスクある行為をしてしまった時には、必ずHIV検査を受ける※
written by 血液の鉄人