4.HIV(エイズウイルス)について
HIVの分類とは?
HIV-1とは
HIV-1はグループM(maior)、グループN(non-M,non-0)、グループ0(outlier)に分類されます。
グループMは世界中に蔓延しており、エイズの世界的流行の原因となっています。
一方、グループNとグループ0は比較的稀なウイルスで、中央アフリカ西部で流行しています。
グループ0は、ヨーロッパ・米国でも流行が確認されています。
HIV-1のグループMは、遺伝学的に数種類のサブタイプ(A,B,C,D,F,G,H,J,K)と組み換え流行株(CRFs)に分類されています。
これらHIV-1の各サブタイプと組み換え流行株の地理的分布及び流行地区は、全世界です。
CRF02_AG株は西アフリカ、中央アフリカ西部で流行しており、サブタイプA,C,Dは、中央アフリカ東部、
サブタイプCは、南アフリカで非常に多く、全サブタイプと多くの組み換え株がアフリカで見つかっています。
HIV-1サブタイプBは、主に米国、ヨーロッパ、日本、オーストラリア等で流行しています。
ヨーロッパでは、サブタイプB以外のHIV-1サブタイプも多く流行しています。
アジアでは、サブタイプCがインドで、CRF02_AE株(以前はサブタイプEと呼ばれていた)とサブタイプBがタイと東南アジアで流行しています。
南米では、サブタイプBとFが主に流行しています。
HIV-2とは
HIV-2とはこのウイルスは、細胞に対するウイルス親和性・形態学的構造・遺伝子構造・感染経路・エイズ発症能等において、HIV-1に類似しています。
また、このウイルスは、感染力が低く、感染が穏やかに進行して、感染しても発病までの潜伏期間が長く、ウイルスの力価も低く、垂直感染(母親から胎児への
このウイルスは、西アフリカ特有の物で、米国・ヨーロッパ・アジア・その他の地区でも、HIV-1感染と比較しても流行頻度が低いのが特徴です。
感染)及び水平感染(性行為による人から人への感染)の割合が低いなど、HIV-1に比べて病原性が低いことが確認されています。
HIV-2は、遺伝学的にサブタイプA〜Gに分類され、ほとんどの感染はサブタイプAとBです。
日本においては、性行為による感染者は、2名しか確認(2011年9月現在)されていません。
written by 血液の鉄人