6.AIDSの症状について
HIVに感染したら、どうなるの?
人間の身体には、細菌やウイルスが侵入した際にこれらを攻撃する免疫機能が備わっています。
HIVは、この攻撃の主力となるリンパ球の一種のヘルパーT細胞に進入して、ヘルパーT細胞中で増殖してこれを破壊することから免疫機能が低下します。
AIDSの発症は、HIVに感染してから、10年以上かけて免疫機能が低下していき発病するという大変長い経過を辿ります。
しかしここ数年来、HIVに感染してから2〜3年という短い期間にAIDSを発症する事例が多くなってきています。
HIVに感染に感染後2〜8週間
感染した初期段階では、ほとんど自覚症状がありません。
一部の人は、風邪に似た症状(発熱、のどの痛み、だるさ、筋肉痛、関節痛、発疹など)が2〜3週間続く場合がありますが、個人差が大きく出る症状も色々です。
それらの症状は数週間でなくなり、次の無症候期へ移行しますが、症状の全く出ない場合もあります。
そのことから、症状だけでHIVに感染しているかどうかの判断は出来ません。
HIV感染の判断は、適切な時期に、適切な検査を受けるしか方法がありません。
HIV感染後の1年〜10年 無症候性キャリア/潜伏期間
症状が全くなく、通常の生活が行えますが、血液中にはHIVが存在することから性行為によって他人へ感染させる可能性があります。
この期間は個人差が大きく、1年以内から10年以上とされていますが、最近では治療によりエイズ発症を遅らせることも可能です。
治療をしないで放置した場合、HIVはリンパ組織で複製されて増加し、 免疫力が少しずつ低下していきます。
早い時期に検査を受けてHIV感染が分かれば早く治療すればするほど、発病を送らせることが出来、普通の生活を送ることが可能となります。
しかし、エイズを発症してから治療を開始しても、ほとんど効果が認められません。
エイズ発症前段階
長い潜伏期間後、長期にわたる発熱・頑固な下痢による急な体重の減少・寝汗・全身の倦怠感などが現れ、徐々に体力が衰えていきます。
エイズ発症
免疫力や体力の低下の末、日和見感染症・神経障害・悪性腫瘍など、さまざまな症状を引き起こします。
これらが発症した状態をエイズ(後天性免疫不全症候群)と言います。
エイズ患者の約40%がカリニ肺炎に感染していると言われ、エイズの死亡原因の約6割を占めます。
カリニ肺炎を引き起こすニューモシスチス・カリニと呼ばれる原虫はほとんどの人が感染して肺に持っていますが、免疫力が正常に働いているときは何の病状も起こしませんが、免疫力が低下しますと活動を開始してして肺炎を起こします。
HIV感染者の免疫低下を何の処置もせずに放置すると、最終的には70%の人がカリニ肺炎になります。
この病気はエイズの呼吸器疾患で一番多く、痰の出ない空咳・高熱・息切れ・呼吸困難を起こします。
カリニ肺炎は治療薬や予防薬があるにも関わらずエイズ指標疾患の中で最も感染率が高く、エイズ患者が発症すると治療をしても進行を止められない病気です。
カポジ肉腫も、エイズ患者の3分の1がかかると言われ、効果的な治療薬が開発されたとはいえ発症するとほとんどの人が2年以内に死亡します。
性感染症検査キット
written by 血液の鉄人