献血の血液でエイズに感染!!

エイズウイルスの含まれる献血者の血液が血液センターのNAT検査をすり抜け、患者に使用され患者がエイズに感染した事実が解りました。

1999年に高感度検査のNATを導入してから、エイズウイルスの含まれる血液のすり抜けは2例目であるが、1回目は2002年夏に発生したが、この血液は患者に使用されなかったため問題は発生しなかった。
今回は、エイズウイルスの含まれた血液は既に使用され患者がエイズに感染する悲劇が起こった。

この事件の経過を解説しますと、
1.2003年5月19日に献血 この時のエイズのスクリーニング検査陰性、50人プールのNAT検査陰性で、この血液は2003年夏頃患者に輸血された。

2.2003年11月16日に再度献血 この時はエイズのスクリーニング法陽性となり、エイズの感染が判明した。

3.2003年5月の血液を使い12月17日 今度はプール法ではなく、この献血者のNAT検査を行ったところ陽性となり、5月の時点には既にエイズに感染していて、血液中にはエイズウイルスが存在したいたことが判明した。

4.2003年5月の血液中にはエイズ抗体が少なく、50人プール法のNAT検査では陰性になったことが判明した。
50人プール法のNAT検査は感度が落ちることから、少ないエイズ抗体を含む血液は陰性となり見逃されることがあることは以前より専門家は指摘していました。
このことから血液センターでは50人プール法から20人プール法にNAT検査を変更し検査を実施することとしたが、いくら高感度検査のNATでも数十人の血液をプールする方法では今後も見逃す危険性は有ります。
現時点で、1人づつのNAT検査に変更すべきと血液の鉄人は指摘します。

次にこのようなことが発生した理由があります。それは、現在エイズ検査目的に献血をする人が急増したことが背景にあります。

たとえば、1987年には、エイズ抗体陽性者は11件であったが、97年には54件、2002年には82件と急増していることからしても明らかです。
献血者から見つかったエイズ抗体陽性者の数は当HPの知識の窓を見てください。

献血をエイズ検査目的に行うと今後も今回のようなことが発生する危険性はあります。
患者さんに安全な血液を供給する為にも、エイズに感染するような危険な行為をした場合は絶対に献血はすべきではありません。
このような場合は保健所でエイズの抗体検査を受けて下さい。
エイズ検査目的の献血は絶対に止めて下さい。

血液の鉄人

新 医学と切手の極意