エイズ抗体検査を受けるタイミングについて
2008年5月10日改訂
「エイズ抗体検査をどの時期に受けらいいのか?」との質問を良く受けますので
以下に解説致します。
T.エイズ検査の種類
- NATおよびPCR法
この検査は、体内に侵入したエイズウイルスの遺伝子を化学的に数百万倍に増殖させてエイズウイルスの遺伝子の核酸を調べる方法です。
検査の感度が非常に良い検査法ですが、検査法が難しいことと高価な検査機器が必要なことから限られた施設でしか実施されていません。
ほとんどの病院では検査専門の会社に検査を依頼しています。
- PA法(ゼラチン凝集試験)
日本で開発された第三世代に属するスクリーニング検査法で、多くの病院や保健所で採用されています。
- EIA法(酵素免疫法)
第三世代に属するスクリーニング検査法で、多くの病院や保健所で採用されています。
- 迅速または簡易検査法(イムノクロマトブラフィー)
15分で検査結果が得られる簡易検査で、現在保健所でスクリーニング検査法として早く結果が得られる為に多く採用されています。
- 抗体および抗原同時検査
第四世代検査法で、感染後早くエイズウイルスを検出する目的で開発されました。
エイズウイルスの体の一部のp24抗原とエイズ抗体を同時に検査できる優れた検査法のため、現在は多くの医療機関で採用されています。
- 確認検査法
以上、1〜4の検査法で陽性となった場合に、その人が本当にエイズに感染しているかを確認するための検査法です。
すなわち、1〜4の検査法では感染者を見逃さないために検査の感度を高くしていますので、どうしてもニセの反応(偽陽性反応)が出ます。それを本当の陽性とニセの陽性(偽陽性反応)とを確認するための検査法です。
この検査は特殊な技術力を必要とするために限られた施設でしか実施されていません。
追記
最近では通信販売で自宅で簡単に検査ができると言ううたい文句で多くの検査キットが販売されていますが、これらの検査キットがどのような製品で信頼性があるかは、血液の鉄人は確認していませんので、このサイトではコメント致しません。
検査は厚生労働省の「体外診断用手薬品」の認可を受けた検査キットで、病院・保健所で受けられることです。
U.検査を受けるタイミング
- NATおよびPCR法
本来NAT検査とは血液センター専用の検査方法で、一般の病院では使用されていません、便宜上NAT検査と表現していますが、正しくは【エイズPCR検査 商品名 コバス TaqMan HIV-1 「オート」】です。
本来はエイズウイルス感染者・患者の治療の際に、血液中にエイズウイルスがどの程度存在するかを調べる検査でしたが、感染して早い時期に検査して感染の判断が出来ることから、感染の有無を調べる検査に採用されました。
ウイルスの遺伝子を化学的に増幅して検査しますので、比較的早い時期に感染を見つけられます。
今まで、【高感度法】と【標準法】がありましたが、2008年4月から、【リアルタイムPCR法】に変更され、【高感度法】と【標準法】は検査薬の在庫が無くなり次第、検査は中止されます。
【リアルタイムPCR法】は今までのPCR検査を改良して、検出感度が一層高くなりました。注意 この検査はエイズウイルスの1型しか見つけることが出来ません。
●危険な行為の後11日以降で1型の感染に対する正しい結果が得られます。
- PA法(ゼラチン凝集試験)
感染してこの検査で検出される量の抗体が出来るまでに2〜3ケ月(人により抗体の出来る速さと、その時期が異なることから、検査で見つかる抗体の出来る時期に検査を受ける必要があります)かかります。
●危険な行為の後12週で1型2型の感染に対する正しい結果が得られます。
- EIA法(酵素免疫法)
感染してこの検査で検出される量の抗体が出来るまでに2〜3ケ月(人により抗体の出来る速さと、その時期が異なることから、検査で見つかる抗体の出来る時期に検査を受ける必要があります)かかります。
●危険な行為の後12週で1型2型の感染に対する正しい結果が得られます。
- 迅速または簡易検査法(イムノクロマトブラフィー)
簡易検査のため15分前後で検査結果が出るために、保健所で採用されている検査ですが、感染してこの検査で検出される量の抗体が出来るまでに2〜3ケ月(人により抗体の出来る速さと、その時期が異なることから、検査で見つかる抗体の出来る時期に検査を受ける必要があります)かかります。
●危険な行為の後12週で1型2型の感染に対する正しい結果が得られます。
- 抗体および抗原同時検査
●感染初期のエイズウイルス1型の体の一部のp24を早く見つける事が出来るので、危険な行為の30日後に検査を受けることにより、信頼性のある結果が得られます。
現在は、この検査が主流となっています。
危険な行為から30日でエイズウイルス1型の体の一部のp24を見つけることが出来、1型2型の抗体の出来る時期まで、抗原を見つけることが可能で、抗原が血液中から消えて、1型2型の抗体が出来れば、今度は1型2型の抗体を見つけることの出来る検査法です。
●危険な行為の後30日で1型、12週で1型2型の抗体を見つけることが出来ます。
※まとめ
検査を受けるタイミングは、どの検査法で検査を受けるかによって異なりますので十分注意して受けることが大切です。