2009年3月31日に、新しい迅速検査キットが富士レビオ株式会社から販売されました。
この検査キットは、第四世代に分類される「迅速簡易検査」です。
キットの名称は、人免疫不全ウイルス1p24抗原・HIV抗体キット『エスプライン HIV Ag/Ab』です。
この検査キットは、酵素免疫測定法を測定原理とした「イムノクロマト法」により、血液中のHIV抗原とHIV抗体を個別に検出できます。
このキットの特徴は、従来の迅速抗体検査と比べて、HIV-1p24抗原を検出出来ることから、ウインドウピリオドを短縮できることと、偽陽性反応の出現率が非常に低いことです。
- 検査方法
判定部の下から順に
- 血液を遠心分離して得られた、25μLの血清又は血漿を反応カセットの青色の検体滴下部へ入れます。
- 血清又は血漿を入れた後反応カセットの下部にある凸部を押します。
- カセットを15分間放置。
- 15分後に反応停止液を反応カセットの青色の検体滴下部に2滴加える。
- 判定部に出現する青色のラインの有無を確認する。
@G:HIV抗体判定ライン部(HIV-1/-2抗体の検出部分)
AB:HIV-1p24抗原判定ライン部(HIV-1p24抗原の検出部分)
Br:レファレンスライン発色部(検査が正しく行われたかを判定する部分)
この部分には赤のラインが引いてあります。
検査が正しく行われれば、この赤のラインが青色に変化します。
- 判定
レファレンスラインとHIV抗体判定ライン部に青いラインが認められた場合・・・HIV抗体陽性
レファレンスラインとHIV-1p24抗原判定ライン部に青いラインが認められた場合・・・HIV-1p24抗原陽性
レファレンスラインとHIV抗体判定ライン部及びHIV-1p24抗原判定ライン部に青いラインが認められた場合・・・HIV-1p24抗原陽性とHIV抗体陽性
レファレンスラインのみに青いラインが認められた場合・・・・陰性
※レファレンスラインに青いラインが認められなかった場合は、検査が正しく行われていないと判定して、再度検査を実施する。
- 検査を受ける時期
HIV-1p24抗原を検出できることからして、不安な行為から30日で、HIV-1の感染の判断は出来るものと考えられます。
反面HIV-2に関しては従来の迅速抗体検査と同様、不安な行為から12週で信頼できる結果が得られます。
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written by 血液の鉄人知識の窓│新 医学と切手の極意