梅毒検査について

梅毒血清反応には脂質抗原を用いる方法(STS)と、 梅毒病原体(TP)を抗原として用いる方法があります。

それぞれの特徴に応じて、両者を組み合わせて梅毒の検査を行います。
一般的に検査を受ける時期は、不安な行為から1ケ月以降です。
梅毒感染のスクリーニングでは定性検査を行い、治療効果の判定などで抗体価の変動を見たいときに定量検査を実施します。



梅毒検査結果の解釈

STS検査とTP抗原検査を組み合わせて、梅毒感染の有無を判断します。

STS
検査
TP抗原
検査
判定  解釈
(-)
(-)
梅毒ではない
梅毒感染初期で検査を受ける時期が早すぎる場合もあることから、感染の可能性があるときは日をあけて再度検査をし、陰性であれば感染なしと判断します。
(+)
(-)
生物学的偽陽性(BFP)
または、梅毒感染初期(再度検査をすることにより陽性となれば梅毒感染と判断します)
(+)
(+)
梅毒
梅毒治療後の抗体保有者(梅毒に感染している)
(-)
(+)
梅毒治療後の抗体保有者(治療の必要性はなく、相手に感染させることはありません)または、まれにTP抗原系の偽陽性反応


梅毒の感染力と検査結果

梅毒の感染力は第1期から第2期では強く相手に感染させますが、その後はどんどん感染力は低下していき、 感染後2年を経過しますと感染力はなくなるといわれています。 感染力のある初めの2年を早期梅毒、 それ以降の感染力のなくなる時期を晩期梅毒とよぶこともあります。
しかし、感染力はなくても梅毒の病原体は体の組織や神経細胞を破壊しますので、治療は必要です。

前述の通りTP抗原検査は治癒後も陽性が持続しますが、 そのようなケースは感染力がありません。



血液の鉄人

新 医学と切手の極意