輸血の副作用と危険性

輸血用血液は日本赤十字社血液センターからの一般献血の血液を用います。
現在、検査の進歩などにより、十分な検査を実施しているため、非常に安全な血液製剤となっていますが、十分注意して行っても、下記のような副作用、合併症が起こる可能性があります。

・アレルギー、蕁麻疹、発熱 1/20〜1/50
・溶血反応 1/1000〜1/1万
・低血圧反応 1/1万〜1/5万
・輸血後肝炎 b型 1/7万〜1/8万
・輸血後肝炎 c型 1/30万
・輸血後エイズ 1/200万
・輸血後gvhd(非照射血の場合) 1/5万〜1/50万

そのため、輸血を受ける患者に対して、医師は輸血をしなかった場合のリスクと輸血を実施した場合の治療上のメリットを十分に説明し、さらに輸血を行った場合の副作用と感染症の危険性を患者の納得できるよう平易に説明し、患者自身および家族が十分理解し、輸血を受けるようにインフォームド・コンセントを行うことを義務ずけられています。

そのため、すべての医療機関では輸血を行う前に、患者および家族が十分納得できるよう説明し、了解を求め、これを文書で確認します。それから輸血が行われます。
そのため、輸血の副作用と危険性の重要性に鑑み、輸血を受けることを拒否する患者もいることも事実です。

しかし、手術等の治療の際絶対的に輸血が必要な場合もあるのも事実です。そのため、極力輸血を受けないような治療を求め、輸血が必要となった際には、最小限の輸血に止めてほしいと、医師に対して自分や家族が要望することも可能です。
最も重要なことは、輸血の際には患者に対してインフォームド・コンセントを必ず行うことです。
おおうらさんが、いい加減な病院と思われるのは、医師が患者および家族が納得できるように説明しなかったことが原因と私は解釈します。

医療の現場では治療の内容を十分に説明し、相手が納得できるようにすることが重要です。
これを怠ってきた日本の医療機関は患者から信頼されず疑いの眼で見られていることを認識しなければなりません。
輸血は手術や治療の際に生命を守るために必要不可欠な場合もあります、これを全面的に否定すれば、医師の立場からして十分な手術、治療ができなくなり、助かる生命も助からなくなります。

そのため、必要な時には輸血を受けられることをお進めします(病院での不十分な説明は別として)、また血液センターの血液は現在は非常に安全です。しかし、100%安全ではありません、検査方法の検出感度以下のウイルスが血液に存在した場合は、いくら注意して検査してもウイルスを検出することが出来ず、その血液の輸血を受けた患者はB型またはC型肝炎に感染することがあります。
しかし、現在では先に示しましたようにその感染の確率は非常に低くなっています。

血液の鉄人

新 医学と切手の極意