Rh血液型と輸血についての回答

2人組高校生物選択者さんへ

1.Rho式血液型とは
人の赤血球の表面にはD抗原(Dと呼ばれる物質)があり、抗D血清と呼ばれる薬品を使い、このD抗原の有無を調べ、D抗原がある人をRho陽性・Rh陽性・Rh(+)・D陽性と呼びます。
逆にD抗原がない人をRho陰性・Rh陰性・Rh(−)・D陰性と呼びます。
日本人は0.5%がRh陰性、極東の黄色人種では1%がRh陰性、一方白人では15%がRh陰性で、黒人は黄色人種と白人の中間です。
このようにRh陰性の頻度は人種により異なります。


2.Rho式血液型と輸血について
輸血には同じ血液型を用いることから、
@Rh陰性の人への輸血はRh陰性の血液を使います。
ARh陽性の人への輸血はRh陽性の血液を使います。

この理由を簡単に説明しますと、
人の体の中に自分自身が持たない物質(異物)が入ると、免疫機能が働き、この自分自身が持たない物質を無毒化し体外へ排出しようとします。
分かりやすい事例をあげますと、ハシカにかかると体内に侵入したハシカのウイルスを体が排除しようと働きハシカのウイルスを無毒化します、この時ハシカのウイルスと体の免疫機能が戦いその結果、熱が出たりして体に異常が起こりますが、この戦いに体が勝つとハシカのウイルスを毒化する物質としてのハシカのウイルスに対する免疫抗体が体の中で作られます。

このハシカのウイルスに対する免疫抗体が一度体の中にできると、次にハシカのウイルスが体の中に侵入しても、この免疫抗体がハシカのウイルスを無毒化し、体には異常が起こらずに二度とハシカにはかかりません。
このように人へ体は外界から体内に侵入した異物を排除する免疫機能が常に働いている為に、人は生きて行くことが出来る訳です。
血液型についても同じことで、Rh陰性の人へRh陽性の血液を輸血すると、本来Rh陰性の人はDと呼ばれる物質を持っていないので、Dと呼ばれる物質が体内に入るとこれを排除する免疫機能が働き、抗D抗体と呼ばれる免疫抗体が作られます。

この抗D抗体と呼ばれる免疫抗体は一回目の輸血で作られた時は、体に何の影響も与えませんが、二回目Rh陽性の血液を輸血すると体内で作られた抗D抗体と呼ばれる免疫抗体が赤血球の表面にあるD抗原を破壊し、その結果体の中で赤血球が壊れ、激しい輸血副作用が起こり、最悪の場合は死亡します。 そのため、Rh陰性の人へ一回目はRh陽性の血液を輸血出来るが二回目の輸血は出来ないと言う訳です。
しかし、Rh陰性の人へRh陽性の血液を輸血することは医療事故となるため、必ずRh陰性の人への輸血はRh陰性の血液を使うことになっています。
Rh陽性の人はD抗原を持っていることから、Rh陽性の血液を輸血されても何の問題もおきません。


3.大変重要な話
ひとつ重要なことをお話しします。
Rh陽性の人にRh陰性の血液を輸血することはどうでしょうか?
輸血の原則からしますと、ダメと思われますが、何事にも例外があるようにこれは例外的に問題ありません。

理由
Rh陽性の人はD抗原を持っていますが、Rh陰性はD抗原を持っていないことから、Rh陰性の輸血を受けても免疫機能が働かないために、何の問題もおきません。
ですから、Rh陽性の人にRh陰性の血液を輸血してもかまいません。
しかし、Rh陽性の人にRh陰性の血液を輸血出来ないと医師でも勘違いしているのが実情です。 このことを覚えておくことは非常に重要で、生物の先生でも知らないと思いますし、大部分の人も知らないでしょう。
これは当ホームページにアクセスしてくれた貴方に『血液の鉄人』から特別にお教え致します。
非常に参考になりますので、友人たちに誇らしげに話ししてみてはどうですか。

以上を簡単にまとめますと、
・Rh陽性の人にはRh陽性または陰性の血液を輸血出来ます。
・Rh陰性の人にはRh陰性の血液しか輸血出来ません。

貴方の友人たちに「血液」に関しては何でもわかる当ホームページを紹介しておいて下さい。

血液の鉄人

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