医事通信(2008年9月14日号)
血液センターでのNAT検査がより感度の高い新しい核酸増幅検査へ切り替えられた!!
- 日本赤十字社は、従来から血液センターで実施している血液製剤の核酸増幅検査(NAT)で使用する検査試薬を、より感度の高い試薬へ切り替えて検査方法を改善して全国的に9月1日から実施します。
- 今回の切り替えにより、ウインドウピリオド期の短縮や新たにNATでのHIV-2型の検出が可能となりました。
- 新しい検査試薬を導入するとともに、検査機器についても同時に切り替えることで、検査する際の検体の容量を現在の4倍量以上に増やすことで検査の感度が一段と向上した。
- ※感度の向上とウインドウピリオド期の短縮の具体的な数値は現時点では、把握できていませんので、わかり次第報告致します。
検査試薬と機器の切り替えで改善される内容
- 検査試薬及び機器の切り替えによって、検出感度が約3倍になりウインドウピリオド期については従来よりもさらに短縮されます。
- また、今回から新たにHIV−2型についてもNAT検査で検出が可能となります。
核酸増幅検査(NAT:Nucleic acid Amplification Test)とは
- 日本赤十字社は、1999年(平成11年)から血液の安全性向上を図るうえでB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エイズウイルスが同時に検出可能で有効なNAT検査を世界に先駆けて導入しており、平成16年8月28日からは20プールのNAT検査を全国的に実施しています。
- 献血された血液の検査として抗原・抗体検査は、ウイルスなどに感染した後、血液中に産生される抗原や抗体を検出する方法であるため、感染後しばらくは、感染していることを検査で検出できない期間(ウインドウ・ピリオド)があります。
- NAT検査は、抗原や抗体ではなくウイルスの遺伝子を構成する核酸(DNAまたはRNA)の一部を約1億倍に増幅することによってウイルス自体を高感度に検出する検査方法です。
- NAT検査は、ウイルスの有無を検出するため、非常に感度と特異性が高く、ウインドウピリオドの短縮を可能にします。
検査目的の献血は厳禁です
- 献血された血液は、輸血を必要とする患者に使用されることから、安全な血液が求められています。
- そのことから、不安な行為をして、検査目的で献血することは絶対にすべきではありません。
- 不安な行為をして、エイズウイルスに感染しても、抗体検査で見つかるまでには、12週が必要ですし、NAT検査でも11日は必要です、これ以前に献血すれば、検査が陰性となり、エイズウイルスの含まれた。
- 血液が患者に輸血され、感染することになります。
- エイズ検査は、病院・保健所で受けて下さい。
- このところ毎年、エイズ抗体検査が陰性で、NAT検査が陽性となる血液が増加しています。
written by 血液の鉄人
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