医事通信(2011年02月10日号)
2010年第4四半期の新規HIV感染者・新規AIDS患者、過去最多の422件!!!
厚生労働省は2011年2月7日、2010年9月〜12月に報告された新規HIV感染者数と新規AIDS患者が422件だったと発表しました。
新規HIV感染者報告数は、303件で、過去1位。
内訳としては、男性295件、女性8件で、男性は前回(240件)及び前年同時期(235件)より増加し、女性は前回(8件)及び前年同時期(4件)より減少しています。
新規AIDS患者報告数は119件(前回報告111件、前年同時期84件)で、過去4位となりました。
その内訳としては、男性116件、女性3件で、男性は前回(103件)より増加し、女性は前回(8件)より減少しています。
HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は422件で過去1位となっています。
1.新規HIV感染者
同性間性的接触によるものが218件で全HIV感染者の約72%を占めています。
異性間性的接触によるものが54件で男性48件、女性6件で全HIV感染者の約18%を占めています。
今回は、母子感染と静注薬物感染の報告はありません。
ただし、複数の感染原因が考えられるために「その他の原因による感染」に計上されているものが4件存在します。
年齢別では、特に 20〜30 代が多いが、40 代でも増加が見られる傾向にあります。
2.新規AIDS患者
同性間性的接触によるものが53件で全AIDS患者の約45%を占めています。
異性間性的接触によるものが36件で、そのうち男性34件、女性2件で全AIDS患者の約30%を占めています。
静注薬物によるものが1件。
年齢別では、特に30代以上に多い傾向が見られました。
※四半期としては過去最高を記録しました。
まとめ
1.新規HIV感染者・新規AIDS患者ともに増加傾向にあり、HIV感染はより一層身近なものとなってきていることから、
HIV感染予防を積極的に行う必要があります。
「自分だけは感染しない」ということは一切通用しないことを肝に命じておく必要があります。
2.新規AIDS患者は過去最多となり、新規HIV感染者・AIDS患者に占めるAIDS患者数の割合は昨年に続
き増加しています。
AIDS患者のうち40代以上が約6割を占めていることは、"いきなりエイズ"が多く発生していることです、AIDS発症前に早期発見するために
は、「感染するような危険な行為」をした場合は、必ずHIV検査を受ける必要があります。
適切な時期にHIV検査を必ず受けることにより"いきなりエイズ"を防止することは可能です。
3.先進国の中でも唯一HIV感染者・AIDS患者の増加が見られる日本では、HIV/AIDSに対する正しい知識を持ち、HIVに感染するような行為を慎み、
お互いがセイフティ・セックスに務めるべきですが、性遍歴の分からない相手のセックスの際には必ずコンドームを正しく使用して感染予防に務める必要があります。
written by 血液の鉄人
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