医事通信(2013年10月08日号)
HTLV-1の感染者が全国的に増加!!
2013年9月25日の厚生労働省の「HTLV−1対策推進協議会」において、HTLV-1の全国のキャリア数は108万人と推定され、もともと多かった九州・沖縄地方から全国に広がっていることがあらためて明らかにされました。
HTLV-1とは
HTLV-1(Human T-lymphotropic Virus:ヒトTリンパ好性ウイルス)は、成人T細胞白血病(ATL:Adult T-cell Leukemia)や神経難病の関連脊髄症(HAM:HTLV-1 associated myelopathy)を引き起こすウイルスです。
HTLV-1の感染経路と感染対策
本来、HTLV−1は主に母乳を介する母子感染が圧倒的に多いことから、妊婦健診でHTLV-1抗体検査が実施されています。
HTLV−1は、HTLV−1キヤリアの母親の母乳を飲むことによって感染することが圧倒的に多く、出産時、母体内での感染も一部報告されていますし、性行為による感染も報告されています。
母乳による感染予防対策としては、母親がHTLV-Iキャリアであることが判明した場合、母乳哺育を行わずに人工乳を用いることによって感染は回避できます。
HTLV-1のキャリアの現状
赤十字社中央血液研究所によりますと、2006〜2007年にかけての全国の初回献血者約120万人についての調査結果では、HTLV-1全国のHTLV-1キャリア数は1988年調査時の120万人から約10%減少しているとの結果が得られています。
現在の予防対策を継続した場合、2027年のキャリア数は56万人と、ほぼ半減することが見込まれます。
地域別に見ると、全体が減少しているにもかかわらず関東・中部地方では増加しており、人口の移動とともにキャリアの分布が拡散していることが明らかになっています。
1988年当時の20代と今回調査の40代、30代と50代、40代と60代を比較すると、いずれもキャリア率が上昇しており、母乳による母子感染だけでなく、成人後の水平感染の影響がうかがい知れます。
HIVに感染する可能性のある行為をしてしまったら、必ず検査を!!!
病院や保健所に行きづらいと言って検査を受けないのではなく、まずは自宅検査キットで検査を!!
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HTLV-1の感染力と性行為による感染について
HTLV-1の感染力は、HIVよりも弱く性行為による感染の確率は非常に低いです。
性行為による感染のほとんどは、男性の精液中のHTLV-1感染リンパ球による女性への感染ですから、コンドームを使用して膣内への射精を防げば、感染は予防できます。
また、女性の膣分泌液の中には、感染リンパ球がほとんどいないことから、女性から男性に感染することはまずありません。
男性から女性へのHTVL-1の感染のメカニズムは、精液中に存在するHTLV-1感染リンパ球により子宮頚管上皮細胞が感染し、それがTリンパ球に感染し、血中で感染リンパ球が増加して感染が成立すると考えられています。
このように一般的にHTLV-1は男性から女性へ感染しますが、ペニスに性行為感染症が有り、ペニス粘膜がタダレて感染防蟻をバリアが破壊されている場合には、女性から男性への感染が起こることが報告されています。
成人になってからHTLV-1に感染しても、成人T細胞白血病を発症を発病する人はいないことから、仮に性行為でHTLV-1に感染しても、成人T細胞白血病を発症することはないと言われています。
written by 血液の鉄人
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