2020年01月17日号
性病郵送キット
2019年12月22日時点での梅毒患者報告者数が6435人に!!
ここ数年間梅毒は増加傾向にあり、5000人を超えるのは4年連続となり、依然として流行が収束する兆しは全くありません。
現在の梅毒流行と妊婦梅毒
梅毒は、すべての医師が診療から7日以内に届け出を求められている全数報告対象疾患です。
国の感染症発生動向調査によると、2013年以降20代を中心に女性の梅毒報告数と先天梅毒報告数が増え続けています。
感染症発生動向調査では、2019年1月1日から梅毒の届け出様式が変更され、妊娠の有無・直近6ケ月以内の性風俗産業の従事歴の有無が新
たに項目として追加されました。
女性の梅毒患者の現状
感染研感染症疫学センターによると、
・女性梅毒症例は1,117例でこのうち「妊娠あり」とされた症例は106例。
・年齢別では、15〜19歳が10例(9%)、20〜24歳が38例(36%)、25〜29歳が30例(28%)、30〜34歳が20例(19%)、35〜39歳が7例(7%)、
40〜44歳が1例(1%)。
・病型別では、早期顕症I期が5例(5%)、早期顕症II期が25例(24%)、無症候が76例(72%)。
・妊娠週数は、19週までが74例(74%)、20週以降が26例(26%)、(残り6例は不明)。
・「妊娠あり」症例のうち、性風俗産業従事歴については、「あり」が5例(8%)、「なし」が56例(92%)で、残り45例は不明。
現在の女性の梅毒患者急増から考えられること
これらの調査結果からして、妊娠症例は性風俗産業従事歴のない20代後半から30代前半の女性が多く、
感染源が男性パートナーである可能性が強く示唆されています。
これは、妊婦における感染が同性間性交渉による感染および性産業従事歴による不特定多数の性交渉による従来の感染経路とは
傾向が異なることを示しています。
もうひとつ気になることは、妊娠ありの106症例のうち、半数近い45例については従事歴が明らかになっていないことです。
これは「従事歴なし」の場合は回答できるが、「従事歴あり」の人ほど回答をためらうケースが多いのでないかと考えられています。
更に現在の性風俗の傾向として、実態のある店舗で報酬を取りながら性活動を行う性産業従事者だけでなく、
派遣型のデリバリーヘルスや、出会い系サイトやSNSを介し、困った時だけ金銭と引き換えに性交渉に及ぶ“個人稼業”の人たちが含まれているということです。
この様な人たちはどこまで自身をセックスワーカーであると自覚していないと考えられます。
これらの人をも加えると性風俗産業従事歴のある人はもっと多くなることになります。
現在の梅毒
今の梅毒は症状の出ないまたは出にくい無症候性梅毒が多く、症状から梅毒トレポネーマの感染に気づくことは少ないのが現実です。
それが証拠に今回の調査でもおよそ70%以上が無症候であったことからも分かることです。
さくら検査研究所
妊婦健診における梅毒検査の役割
妊婦健診において梅毒検査は必須となっていますが、これも十分機能していないと考えられています。
すなわち妊娠20週以上に診断された症例も26例(26%)認められ、この中には、未婚や経済的事情などで妊婦健診を
受けないまま週数が経過した結果、判明が遅れたケースも認められていますが、妊娠20週を超えた段階で新たに感染することも否定できません。
要するに妊娠が安定期に入って性交渉を再開した際、何らかの経緯で男性パートナーから感染させられているケースが有るということです。
従って先天梅毒を無くする意味からも妊娠中に疑われる症状が見られたら速やかに主治医に相談するよう促したり、妊娠中であっても避妊具を使用し、
より一層慎重な性交渉を行うよう患者に指導したりする必要があるということになります。
また、妊娠初期に行われる梅毒スクリーニング検査を、妊娠中期および後期に行うことも、発見の機会を増やす必要性もあります。
梅毒トレポネーマの母子感染は診断と治療により防ぐことが可能です。
産婦人科医も現在の梅毒流行に鑑み適切な妊婦梅毒対策をする必要性があることを十分理解してほしいものです。
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written by 血液の鉄人
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