鉄人レター 060号




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2012/10/31(No.60)
                      
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         ■■ HIV検査を受ける正しいタイミングについて ■■

            −2.第四世代抗原抗体検査−        
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 HIV検査を受けるタイミングについてよく質問されますから、各種HIV検査について
再度確認のために解説していきますので、よくお読みください。
 
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 □ 第四世代抗原抗体の原理

 第四世代抗原抗体検査は、HIV-1の体の一部の抗原(p24)と、HIV-1とHIV-2の抗体を
調べる検査法です。

 検査方法としては、エライサ法・酵素免疫測定法・イムノクロマト法などがありま
す。

 感染30日でHIV-1の抗原p24の検出感度が高いことから、比較的早期のHIV-1感染の有
無のスクリーニング検査に利用されています。

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 □ 第四世代抗原抗体検査の正式名称は?

 エライサ法・酵素免疫測定法による検査キットは、各メーカが特長のある名前をつ
けています。

 【例】

 『ジェーンスクリーンHIV Ag‐Ab』

 『エンザイグノスト HIVインテグラル』

 『バイダス アッセイキット HIV デュオ』

 『HIV Ag/Abコンボアッセイ・ダイナパック』
 
 など。

 イムノクロマト法は、『エスプライン HIV Ag/Ab』です。

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 □ エライサ法及び酵素免疫測定法による第四世代抗原抗体検査と、イムノクロマト
法によるは第四世代抗原抗体検査は同じもの?

 検査の原理が異なるだけで検査の感度や信頼性はほとんど変わることはありません。

 異なるのは、検査結果が出るまでの期間で、エライサ法及び酵素免疫測定法による
第四世代抗原抗体検査は、検査に必要な時間は1時間程度ですが、結果を知るまでには
4〜7日かかります。

 一方、エスプライン HIV Ag/Abは、検査に要する時間は15分程度で、その場で検査
結果を知ることができます。

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 □ 第四世代抗原抗体検査の利用の仕方とは?

 第四世代抗原抗体検査は、不安な行為から30日でHIV-1の抗原であるp24を検出可能な
ことからして、リアルタイムPCRの次に早くHIV-1の感染の判断が可能となる検査法です。
 しかし、この時期はHIV-2の感染の判断はできません。

 HIV-2の感染の判断は、行為から12週で受けないとわかりません


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 一休みして以下をお読み下さい。
 

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      =============================================================================== =============================================================================== それでは続きをどうぞ ===============================================================================  □ 感度と特異性について  HIV-1の抗原のp24を検出する感度は極めて高いです。  HIV-1の抗原のp24を高感度で検出できるようにしたキットですから、偽陽性反応が出  やすい欠点はあります。  不安な行為から30日で陽性となれば、HIV-1の感染が疑われますが、必ず確認検査をし  て陽性でないとHIV-1の感染確定はできません。  この場合、確認検査のウエスタンブロット法は、感度が悪いことからほとんどが陰性  となることから、この時期の確認検査としてはリアルタイムPCR検査を行います。 -------------------------------------------------------------------------------  □ 利用方法  HIV-1の比較的感染早期から検出感度が高いことからして、HIV-1の早期スクリーニング  検査して利用されています。  特に自施設で検査室を持たないクリニック等では、結果が早くわかるエスプライン HIV   Ag/Abを採用している所が多くなってきています。  自施設で検査室を持つ大病院では逆にエスプライン HIV Ag/Abの採用施設は少なく、エ  ライサ法及び酵素免疫測定法による抗原抗体検査を採用しています。 -------------------------------------------------------------------------------  □ 検査を受ける正しい時期とは?  HIV-1の感染を知るために検査を受ける時期としては、感染するリスクのある行為をし  てから、30日で受けることにより信頼出来る結果が得られます。  HIV-2に関しては、感染するリスクのある行為をしてから、12週で受けないと信頼出来  る結果は得られません。 --------------------------------------------------------------------------------  □ 感染リスクのある行為から長期間経過すればすれば信頼性は低くなるのか?  HIV-1の抗原の一部のp24は、HIV-1に感染して30〜50日間は血液中に多く存在しますが、  それ以降急激に血液中から減少することから、50日以降に受ければ見逃す可能性が高く  なります。  HIV-1の感染をp24で知るためには、行為から30日から50日で受けるのが最適と考えられ  ます。 --------------------------------------------------------------------------------  □ 感染リスクのある行為から30日で受けて陰性で、その後陽性となった事例はあるの  か?  感染するリスクのある行為から30日で受けて、陰性で以後陽性となった事例は報告され  ていません。 -------------------------------------------------------------------------------- □ HIV-2は抗原抗体検査検査では見つからないのか?  抗原抗体検査で調べる抗原は、HIV-1の抗原のp24ですから、HIV-2の抗原は見つけること  はできません。  HIV-2に関しては、抗原抗体検査でも感染するリスクのある行為から12週で、HIV-2抗体  を見つけるしか方法はありません。 --------------------------------------------------------------------------------  □ 抗原抗体検査の検査成績書について  抗原抗体検査の検査成績書には、「HIV抗原抗体検査」とは記載されていません。  健康保険の請求上の関係で、名称は「HIV-1,2抗体価」という記載となります。 --------------------------------------------------------------------------------  □ 抗原抗体検査で将来HIV-2の抗原を30日で見つけられるようにはなるのか?  現時点では、HIV-2の抗原を見つけられる検査キットの開発予定はありません。 -------------------------------------------------------------------------------  □ 抗原抗体検査は何処で受けることが出来るのか?    自施設で検査室を持っている病院の殆どは、現在エライサ法及び酵素免疫測定法によ  る抗原抗体検査を採用しています。  検査専門の会社に検査依頼をした場合、現在では全て抗原抗体検査になっていますか  ら全国何処の病院やクリニックでも受けることは可能です。  また、性行為感染症を専門に診療しているクリニックの多くは、エスプライン HIV  Ag/Abを採用しつつあります。  ただし保健所では、ほんの一部でしか抗原抗体検査検査を実施していません。  特にエスプライン HIV Ag/Abはほとんど採用されていません。 --------------------------------------------------------------------------------  □ 抗原抗体検査を正しく受けるには?  HIV-1の感染判断として抗原のp24を調べのは、感染するリスクのある行為から30日(最長  50日)で検査を受けるのが最適です。  感染するリスクのある行為から50日以降に、HIV-1の感染判断を目的として抗原のp24を  調べても、血液中のp24の量が少なくなっていれば、感染していても見逃す可能性が高く  なります。  また、感染するリスクのある行為から30日では血液中のHIV-1とHIV-2の抗体の量は共に  少ないことから、感染していたとしても見逃す危険性が非常に高くなります。  HIV-1及びHIV-2抗体を調べるには迅速抗体検査や第三世代の抗体検査と同様に、感染す  るリスクのある行為から12週です。 ===============================================================================  ※まとめ※ ===============================================================================     1.第四世代の抗原抗体検査は、感染するリスクのある行為から30日(最長50日)で受け    れば、HIV-1の感染に対する信頼出来る結果が得られます。  2.ただし感染するリスクのある行為から30日では、HIV-2は見つけることはできません。  3.HIV-2の感染の判断は、感染するリスクのある行為から12週で受けることです。  4.全国何処の医療機関でも検査を受けることができます。  5.保健所では、ほんの一部でしか抗原抗体検査検査を実施していません。   ========================================= ◆編集後記◆ ========================================= 最後までお読み頂き、ありがとうございました。 ご理解いだけましたでしょうか。   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■                                   今号をお読み頂き、いかがでしたか?  お役に立ったと思われた方は、是非ともワンクリックをお願いします。                    ↓ ↓  ↓               https://clap.mag2.com/heafrealat?hiv/kugenkutai  今後の編集の参考にさせて頂きます。  お手数をおかけしますが宜しくお願いします。   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ========================================= ◆編集後記◆ ========================================= 最後までお読み頂き、ありがとうございました。 ご理解いだけましたでしょうか。 本メールマガジンへの感想・ご意見・ご質問・ご要望等がございましたら、ご遠慮 なくご連絡下さい。 メールを受け取り後24〜48時間以内に必ず返信致します。 ↓ ★ https://form.mag2.com/thaedousti★ 【ご注意】 ★★フリーメールの、「Yahoo!メール」や「Gmail」は、スパム対策を取っていま すので、送信されたメルマガが「迷惑ホルダー」に送り込まれますのでご注意下 さい。 出来れば、「Yahoo!メール」や「Gmail」をご使用にならず、プロバイダのメルア ドを使用されれば確実にメルマガを受け取れます★★ 次回発行は、2012年11月下旬を予定しておりますのでご期待下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-- **************************************** ★最後に次の点だけは、何卒、ご了承のうえご購読下さい★ ●このメールマガジンは、長年エイズ研究に従事しその間に有した経験と知識を 基にして、内外の学会・専門雑誌・各国の情報をも参考に出筆し、万全を期して おりますが、ご利用により、発生したいかなるトラブル・損失等に対しても、発 行者は一切責任を負いませんので、ご利用は自己責任でお願いします。 また、記事の一部又は全部の転載を禁じます。 ===========<新医学と切手の極意 鉄人レター>============= 発行者 : 血液の鉄人 ウェブサイト : https://voxsangman.com/ ご意見、ご感想: https://form.mag2.com/thaedousti =========================================

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