鉄人レター 146号









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2020/03/31(No.146)
                      
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       ■■新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査について■■

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 2019年11月頃より中国湖北省武漢を中心として流行し、現在では全世界で大流行してい
る新型コロナウイルス検査のPCR検査についてのリポートとです。

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 □ 新型コロナウイルスの表記

 新型コロナウイルスは、当記事の中ではSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイル
ス2)と表記いたします。

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 □ SARS-CoV-2のPCR検査について

 鼻咽頭ぬぐい液(鼻から綿棒を挿入し鼻中腔の近くでこすり取った検査材料)、喀痰、
咽頭のぬぐい液などを使用してこれらの中に微量に含まれるSARS-CoV-2特有のゲノム配
列だけをPCR法と呼ばれる手法で増幅し、病原体の有無を調べる検査です。

 ウイルスそのものを検出するのではなく、SARS-CoV-2の遺伝子の一部の核酸を検査し
ます。

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 □ SARS-CoV-2のPCR検査の現状

 PCR検査には特殊装置が必要であるのと、検査を行うにはかなりの熟練を有する臨床検査
技師や医師が実施する必要があるのと、一度に多くの検査を実施することは出来ない高度
な検査であるのと同時に、短期間にこの検査を習得することはまず不可能なのです。

 インフルエンザの迅速診断キットに比べると極めて難しい検査法なのでどこでも簡単に
検査を実施することは出来ません。

 このPCR検査はSARS-CoV-2のゲノム配列情報があれば試薬(増幅に必要なプライマーや検
出に必要なプローブ)を設計・製造できるのでSARS-CoV-2のような新型感染症の検査とし
ては適切な初期検査法となります。

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 □ SARS-CoV-2のPCR検査はどこが開発したのか

 国立感染症研究所が2020年1月下旬、国立感染症研究所において自家調整の遺伝子検査の
手法を確立したことによりSARS-CoV-2のPCR検査が日本でも実施可能となったわけです。

 このPCR検査は標的とするSARS-CoV-2のゲノムのオープンリーディングフレーム(ORF)1a
領域とスパイク(S)蛋白質の遺伝子領域の2ケ所をPCR法で増幅し、増幅産物の有無を検出
します。

 検査の詳細については、国立感染症研究所が『病原体検出マニュアル 2019-nCoV』病原体
検出マニュアル 2019-nCoVを作成し随時更新していますが、この検査の感度・特異度・ウイ
ンドウピリオドに関しては一切公表されていません。

 そしてこのPCR検査は2020年1月28日から国立感染症研究所の主導で、全国の地方衛生研究
所で、同様の自家調整の遺伝子検査を実施できる体制を整え始め実施され現在に至っていま
す。

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