鉄人レター 166号









■□□□□ エイズは正しい知識を身につけることで予防可能な病気です!! □□□□■


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2021/10/30(No.166)

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              ■■HPVワクチンの現状■■

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 いつも新医学と切手の極意の無料メルマガ『鉄人レター』をご愛読頂きありがとうご
ざいます。

 今回はHPVワクチンの現状について解説させていただきます。

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 □ ヒトパピローマウイルス感染症とは

 ヒトパピローマウイルス(HPV:HumanPapillomaVirus)は、性経験のある女性であれ
ば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスで、子宮頸がんを始
め、肛門がん、膣がんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。

 特に最近は近年若い女性の子宮頸がん患者数が増えていることが注目されています。

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 □ HPVの種類

 HPVは、主に性交渉によって生殖器やその周辺の粘膜にイボをつくるウイルスで、そ
の遺伝子型は150種類以上もあり、16、18、31、33、45、52、58型などのHPVはがんにな
りやすく、子宮頸部に感染すると子宮頸がんに進行することがあります。

 そのほか中咽頭がん、肛門がん、膣がん、外陰がん、陰茎がんなどの発症にも関連し
ています。

 6型、11型のHPVは、尖圭コンジローマや再発性喉頭乳頭種(再発性呼吸器乳頭種)な
どの感染症の原因にもなります。

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 □ ワクチンの種類

 HPVワクチンは、子宮頸がんをおこしやすいタイプであるHPV16型と18型の感染を防ぐ
ことがで、子宮頸がんの原因の50〜70%を防ぐことが可能です。

 HPVワクチンには以下のものがあります。

 ○サーバリックス(2価ワクチン)

 定期接種の対象年齢は小学校6年生〜高校1年生相当の女子で、小学校6年生または中
学1年生になったら初回接種を受け、1〜2ケ月の間隔をあけて2回目、初回接種の6ケ
月後に3回目を接種します。

 70%の子宮頸がん(16、18型)の予防を目的とします。

 ○ガーダシル(4価ワクチン)

 定期接種の対象年齢は小学校6年生〜高校1年生相当の女子で、小学校6年生または中学
1年生になったら初回接種を受け、1〜2ケ月の間隔をあけて2回目、初回接種の6ケ月後
に3回目を接種します。

 70%の子宮頸がん(16、18型)、肛門がん、尖圭コンジローマ(6、11型)の予防を目的
とします。

 ※このワクチンは2020年12月から任意接種で男子も受けられるようになりました※

 ○シルガード9(9価ワクチン)

任意接種で9歳以上の女子が接種対象となっています。

90%の子宮頸がん(16、18、31、33、45、52、58型)、尖圭コンジローマ(6型、11型)の予
防を目的とします。

 ※高校2年生になってしまい、定期予防接種として受けられない女子は、今後シルガード
9を選ぶ人が増えると思われます※

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 □ 【注意点】

 HPVワクチを接種したからと言って宮頸がんが完全防げるわけではありませんので、
必ず子宮がん検診を受けることが大切です。

 HPVワクチンを受けた人でも20歳過ぎたらすべての女性は子宮がん検診を受けること
が大切です。

 いずれのHPVワクチンもHPVの新しい感染を予防するもので、すでに感染して体内に
存在しているHPVを排除する効果や、発症してしまったHPV関連疾患の進行を止める効
果はありません。

 ※したがって、性交渉未経験のうちに接種を終えておくとワクチンの効果が最も期
待できます※

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 ※※ここからが今回のメルマガの本題となります※※  子宮頸がんの発症を予防するHPVワクチンの『積極的勧奨の再開』に関し、判断が延期 されたことは残念におもいます。  しかしHPVワクチンが『定期接種』であることは変わりなく続いています。  推奨年齢である小学校6年生〜高校1年生の女児であれば、公費で接種が可能ですが、 逆にそれ以外の人は自費での接種となります。  HPVワクチンは、子宮頸がんや中咽頭がんなどを防ぐことが期待されるワクチンで、特 に子宮頸がんの発症を予防することを決定づける研究結果は2020年に発表されています。  2006年から2017年までのスウェーデンの10〜30歳の男女167万人に対する研究結果では、 HPVワクチン接種とその後の子宮頸がんの発症リスクを評価しています。  即ち17歳以前にワクチンを接種した女性における子宮頸がんを10分の1近くまで減らし たという結果が得られていて、17〜30歳でワクチンを接種した場合は効果が弱まること がわかっています。  そのことからして高校1年までに接種が推奨されている訳です。  ところが日本のHPVワクチンに関しては、2013年6月に「積極的な勧奨」が中止されたま ま現在に至っていてさまざまな理由で接種率が下がっています。  その前は一時、70%まで接種率が高まっていました。  2013年以降HPVワクチン接種率が約70%を維持ししていたと仮定した場合、2013年から 2019年にかけてのHPVワクチン接種率低下により、子宮頸がんの発症を24600〜27300人増や し、5000〜5700人が亡くなると予想されているのです。  HPVワクチン接種に関しては、一時報道にあったように、さまざまな副反応に心配さして いる人達も多いのが現実です。  これら懸念されていた副反応に関しても、多くの研究結果が発表され、HPVワクチンとの 関連性が否定されています。  現在、HPVワクチンに関して、世界的に大きな問題が持ち上がっています。  それは、HPVワクチンのリスクに関してではなく、HPVワクチンの有効性が明らかとなり、 世界的な需要が急増したため、HPVワクチンが品不足となっているのです。  高度な技術が必要なHPVワクチンの製造は、設備の増強が追いつかなくなっており、2022 年にはワクチンの不足は32%にまで高まることが予想されています。  そのため、供給不足のためにHPVワクチン接種の2回目を2〜3年遅らせるという方法や、 女児を優先させるというような提案もなされています。  今後、HPVワクチンを接種したくても入手できるとは限らない状況になってきています。  今後、益々HPVワクチンの入手が困難になる可能性があります。  特に、日本国内では、積極的勧奨の再開の延期で、一部のHPVワクチンを廃棄することに なる可能性が危惧されています。  このままでは"貴重なワクチンを廃棄する国"として、国際的な信頼を失墜させ今後ワク チンや治療薬を供給するラインから日本が外れていきかねません  世界的に不足しているワクチンを廃棄することは、言語道断としか言えません。  今後HPVワクチンの入手が困難になることで、子宮頸がんにならなくてすんだ人たちが増 えないことを祈るしかありません。  より多くの悲しみが生まれないことを願っています。  ※2021年男児への接種も推奨されるHPVワクチンですが、それすら供給不足のために世界 的に議論が起こっています※ +━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ +  □ 追加  子宮頸がんは国内で年間1万人あまりが罹患し、約2800人が死亡しています。  HPVワクチンは小学6年〜高校1年を対象に2013年4月に定期接種となりましが、接 種後の痛みなどを訴える声が相次いだことから、国は2013年6月に積極的な接種勧奨を 中止しています。  厚生労働省の専門部会は2013年10月1日、8年前から中止していた積極的な接種勧奨を 再開することを了承し、再開時期は今後検討するとのことです。 +============================================================================+  ※まとめ※ +============================================================================+  HPVワクチンにつついての解説と現在HPVワクチンが置かれている現状について解説い たしました。   +■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■+  ご不明な点がありましたら以下からお問い合わせください。                                      ↓ ↓  ↓               https://tayori.com/form/454ccc126443591288d908fd4318fd414b6250fe            必ず返信させていただきます。   +■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■+  ◆編集後記◆ +===========================================+ 最後までお読み頂き、ありがとうございました。 ご理解いだけましたでしょうか。 本メールマガジンへの感想・ご意見・ご質問・ご要望等がございましたら、ご遠慮 なくご連絡下さい。 メールを受け取り後24〜48時間以内に必ず返信致します。 ↓ ★https://tayori.com/form/454ccc126443591288d908fd4318fd414b6250fe★ 【お願い】  この機会にぜひとも無料メルマガ「鉄人レター」の購読予約をお願い致します。    購読予約は以下からお願い致します。   ↓ ★ 鉄人レター購読予約★  【ご注意】 ★★購読予約に際しましてはフリーメールの、「Yahoo!メール」や「Gmail」は、スパム 対策を取っていま すので、送信されたメルマガが「迷惑ホルダー」に送り込まれますのでご注意下さい。 出来れば、「Yahoo!メール」や「Gmail」をご使用にならず、プロバイダのメルア ドを使用されれば確実にメルマガを受け取れます★★ 次回バックナンバーの追加掲載は2022年7月中旬を予定しておりますので、ご期待下さい! +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ **************************************** ★最後に次の点だけは、何卒、ご了承のうえご購読下さい★ ●このメールマガジンは、長年エイズ研究に従事しその間に有した経験と知識を 基にして、内外の学会・専門雑誌・各国の情報をも参考に出筆し、万全を期して おりますが、ご利用により、発生したいかなるトラブル・損失等に対しても、発 行者は一切責任を負いませんので、ご利用は自己責任でお願いします。 また、記事の一部又は全部の転載を禁じます。 +==================<新医学と切手の極意 鉄人レター>===+ 発行者 : 血液の鉄人 ウェブサイト : https://voxsangman.com/ ご意見、ご感想:★https://tayori.com/form/454ccc126443591288d908fd4318fd414b6250fe★ +======================================+


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