新登場!女性専用【遺伝子検査】
血液型の話
全く同じ血液型の人は存在するの?
人の血液型はABO式血液型とRho式血液型を含めて100種類以上あります。
これら全ての血液型が全く同じ人は存在しません。
例外的に全く同じ血液型が存在するのは、一卵性双生児の場合で、
二卵性双生児の場合は血液型は異なります。
人の血液型は変わるの?
人の血液型は一生同じで変わることはありません。
しかし、何事にも例外があるように、変わることもあります。
骨髄移植をしたときに変わることがあります。
ABO式血液型の異なる人の骨髄を移植をしたときに、移植が成功すれば、
本来の血液型から移植した血液型に変わります。
例えば:A型にO型を移植→O型に、A型にB型を移植→B型に変わります。
その他特殊な病気でも血液型が変わることがあります。
これについては今後説明します。
AB型とO型の両親からAB型の子供は出来るの?
ABO式血液型は、メンデルの遺伝の法則に従って遺伝しますので、
AB型とO型の両親からはA型とB型の子供しか出来ません。
しかし、これにも例外があり、AB型とO型の両親からAB型の子供が出来ることがあります。
A型遺伝子とB型遺伝子が同じ染色体に乗って遺伝することから、特殊な遺伝形式を取ります。
この特殊な遺伝形式は、(A2B3/O)と表現します。
AB型(A2B3/O)とO型(O)の両親から、遺伝子型(A2B3/O)となり、AB型の子供が出来ます。
この場合のAB型は本来のAB型よりA型抗原とB型抗原が弱い性質を持っています。
AB型(A2B3/O)とO型(O)の両親から、出来たAB型はA2B3型、A1B3型あるいはA2B型と呼びます。
また、この遺伝子型は(A2B3)と表現します。
普通のAB型の遺伝子は(AB)と表現します
このような特殊な遺伝をする血液型をcisAB(シスAB)と呼びます。
そして、本来のAB型をtransAB(トランスAB)と呼びます。
このcisAB(シスAB)の発現頻度は0.0012%と非常に稀です。
cisAB(シスAB)は、本来のメンデルの遺伝形式と異なるために、親子鑑定に大きな影響
を与えたり、産婦人科で新生児の取り違え騒動に発展することがあります。
このcisAB(シスAB)は1966年に大阪府赤十字血液センターの山口英夫博士が、AB型と
O型の両親から、3人の子供全てがAB型という家系を始めて発見しました。
その後調査研究が続けられて、このcisAB(シスAB)は、徳島県と石川県で多く見られる
ことも分かりました。
血液の鉄人も血液型の研究の中で、cisAB(シスAB)を数家系発見しています。
cisAB(シスAB)は、特殊な遺伝形式で、発現するだけで、病気などで発現することはありません。
メンデルの遺伝の法則にも例外があるケースを紹介しました。
ABO式血液型は病気によって変化するの?
ABO式血液型は、ある種の疾患によって変化することがあります。
白血病になり、病状が悪化しますと、本来A型がO型に変化することがあります。
しかし、白血病が良くなれば、元のA型に戻ります。
この現象は、白血病の病状が悪化するのに正比例して、本来のA型がO型に変化します。
不思議なことに全ての白血病のA型の患者が変化することはありません。
O型やA型の人が、直腸や結腸癌になると、O型がB型に、A型がAB型に変化することがあります。
これを獲得性Bと呼びます。
この現象は、癌の進行と共に本来のO型がB型に、A型がAB型に変化しますが、癌を摘出したりして病状が好転すれば、本来のO型、A型に戻ります。
この現象は全ての直腸や結腸癌の患者には起こりません。
諸外国では多く報告されていますが、日本での報告は少ないです。
血液の鉄人も1973年に当時63歳の直腸癌の女性患者でA型からAB型に変化した症例を経験しています。
written by 血液の鉄人