医学に関するアラカルト−その３.抗生物質と抗菌剤の違いとは−

抗生物質とは?

微生物が作った化学物質のことを「抗生物質」と呼びます。

例えば、世界初の抗生物質として名高いペニシリン、このペニシリンは「青カビ」か ら発見された（つまり青カビという微生物がつくった）化学物質です。

よって「抗生物質」なのです。

抗菌剤とは?

技術開発の進歩により、人類は病原微生物に対抗するための化学物質を人工的に創り出すことができるようになりました。

これらは人工合成によって作られた病原微生物に対抗する化学物質ですので、厳密に言うと「微生物が作った」化学物質（抗生物 質）ではないので、「抗菌薬」と呼ばれます。

ということは抗生物質と抗菌剤は全く別のもの??!!

抗生物質は一般的には抗菌薬あるいは抗生剤とも呼ばれますが、厳密に言うと抗生物質と抗菌薬は少し違います。

歴史上もっともよく知られている抗生物質といえば、アレクサンダー・フレミングが青カビから偶然発見したペニシリンですが、カビは天然のもの、 つまり自然界に存在するものですが、天然のものから作られたものを抗生物質といいます。

一方、抗菌薬はいろいろな物質を化合・結合させて作ったものです。

医師や薬剤師など、とくに感染症に携わる者は抗生物質も含めて抗菌薬という呼び方を一般的にしていますが、 一般の方や患者さんに対しては抗生物質という呼び方もしますし、医師以外の医療従事者などに対しても、それほど厳密にことばの使い分けを求めるようなことはありません。

抗生物質と抗菌剤の厳密な使い分けは必要ない!!

抗菌薬とは細菌を壊したり、増えるのを抑えたりする薬のことを言います、その中でも微生物が作った化学物質を抗生物質、抗生剤ということもありますが、このサイト(新医学と切手の極意)ではすべてまとめて抗菌薬と呼んでいます。

真菌(カビ)の感染症を治療する薬はなんと呼ぶのか

この薬剤は抗菌剤、抗生物質とは呼ばずに『抗真菌剤』と読んで抗菌剤や抗生物質と区別してます。

カンジダやニューモシスチス肺炎、クリプトコッカス症の治療薬がそうです。

ウイルス感染症を治療する薬はなんと呼ぶのか?

この薬は抗菌剤、抗生物質、抗真菌剤と区別して抗ウイルス薬と呼ばれます。

HIV治療薬やヘルペス感染症の治療薬及びインフルエンザ治療薬がそうです。

written by 血液の鉄人