エスプラインHIV Ag/Abの判定方法を解説します。

エスプラインHIV Ag/Abは、第四世代の迅速抗原抗体検査で、15分でHIV-1の体の一部のp24抗原とHIV-1/2抗体を同時に検出できます。

検査の判定時間は、検査開始より15分で完了しますが、判定は必ず検査開始から30分以内に行う必要があります。

30分までに「判定ライン」にブルーのラインが現れなく、30分を超えてブルーのラインが現れても、これは陽性とは判定しません、
この場合は、ニセの陽性反応の可能性が高く、再度の検査を行い判定しなおします。

(r)ラインは、検査が正しく行われたかどうかを確認する「レファレンスライン」で、必ずブルーのラインが出現する必要があります。

「レファレンスライン」の、(r)部分にブルーのラインが出現しない場合は、「判定ライン」にブルーのラインが現れても、再度検査を実施する必要があります。

「判定ライン」は、一番下の(T)部分で『HIV-1/2抗体』を検査し、その上の(T)の部分でHIV-1の抗原であるp24を検査します。

抗原検査が陽性の場合は、HIV-1の感染が疑われますが、抗体が陽性の場合は、この抗体がHIV-1抗体かの区別は出来ません。

抗体検査が陽性で、この抗体がHIV-1抗体か、HIV-2かの判断は、「HIV-1抗体検査」と「HIV-2抗体」検査を個々に実施して鑑別する必要があります。

この検査法で陽性となっても、WB法とリアルタイムPCR検査を行って陽性であることを確認しないと、真にHIVに感染しているとは言えません。

検査を受ける時期としては、

１．不安な行為から30日以降でHIV-1の感染の判断は可能。

２．HIV-1/2抗体を検出するには、不安な行為から12週で受ける必要があります。

この検査も当然、ニセの陽性反応すなわち偽陽性反応が起こることはあります。

以下に、検査の判定ラインを紹介しておきます。


※現在のキットは、上のTが→Gに、下のTが→Bに変更されています※

Gは、HIV-1の抗原検出部位、Bは、HIV-1とHIV-2の抗体検出部位となっています。

---

陰性

HIV抗原・抗体ともに陰性 コントロール(r)部分にブルーのライン

---

陽性

HIV-1抗原陽性 コントロール(r)部分にブルーのライン 抗原検査部分(T)にブルーのライン	HIV-1抗原とHIV抗体陽性 コントロール(r)部分にブルーのライン 抗原検査部分(T)にブルーのライン HIV抗体部分(T)にブルーのライン	HIV抗体陽性 コントロール(r)部分にブルーのライン 抗体検査部分(T)にブルーのライン

---

再検査と思われがちな
陽性

陽性 コントロール部分(r)のブルーのラインが薄い 抗体検出部分(T)に薄くブルーのライン HIV抗体陽性と判定する

---

再検査

判定不能のため再検査 コントロール部分(r)のブルーのラインが認められない 正しく行われていない可能性があること から再度検査を行う

１．エスプラインHIV Ag/Abの判定方法│新知識の窓目次｜新 医学と切手の極意