HIVについて−2.HIV-1−
HIV-1とは?
日本を含めた世界で最も流行しているウイルスの一つです。
HIV-1の分類
塩基配列によりGroup M(Major)、Group O(Outlier)、Group N(non-M/non-O)の4つのグループに分類されています。
Group M(Major)とは?
世界的に分布しているHIVのグループMに属し、A、B、C、D、E、F、G、H、J、Kの10のサブタイプに分類されています。
※サブタイプEは、1992年にタイにおける流行で発見されたHIV-1の一種ですが、遺伝子学的にサブタイプAとの組換え体であることが判明し、
"CRF01_AE"と命名されました※
このサブタイプ間での組換え体(CRF:circulating recombinant form)が存在し、15種類が確認されています。
日本における感染者の主なサブタイプは、サブタイプBとCRF01_AEで、その比率はサブタイプBがおよそ75%、CRF01_AEが20%、残りがその他のサブタイプに分類されています。
Group O(Outlier)とは?
Group N(non-M/non-O)とは?
1998年にカメルーンでの感染者に発見されました。
Group P(pending)とは?
2009年、フランス在住のカメルーン人女性に、ゴリラ由来のHIV-1とみられる新種が発見された新しいHIV-1のサブタイプです。
※このウイルスに関しては、発見された当初から2013年11月に至るまでに新たな発見の報告がなく、全く情報がつかめていません※
何故HIV-1は多くのサブタイプが存在するのか?
HIV-1の分類が複雑多岐になった背景として、HIV-1が感染し増殖する過程で変異しサブタイプ間等の遺伝子組換えが起こりやすいことが原因として挙げられています。
日本国内で流行しているHIV-1のサブタイプは?
過去15年間の統計で481のHIV-1の感染者の内訳は、サブタイプBが約91%、CRF01_AEは9%であった。
男性同性間の性的接触による感染例由来HIIV-1の感染者の98%がサブタイプBで、異性間の性的接触による感染者は51%がCRF01_AE、34%がサブタイプBで、その他、
サブタイプA、C、D、Gが認められています。
日本においては、主としてサブタイプBおよびCRF01_AEが流行していて、感染経路よってもサブタイプの分布が異なることから、サブタイプ型別は疫学的な解析手段として利用されています。
written by 血液の鉄人