23.感染抗体と中和抗体とは何か?
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感染抗体とは
感染抗体とは、病原体に感染してその結果体内に出来る抗体を言います。
感染抗体は、その病原体に感染している証拠となるものです。
HIV抗体検査はこのHIV感染抗体を見つける検査です。
中和抗体とは
中和抗体とは、病原体に感染して、体の免疫機能が勝ち、その病原体を殺す働きをする抗体のことを言います。
中和抗体が出来ると、この抗体はその病原体を殺して無毒化する働きをする物質です。
HIV感染抗体について
HIVが体の中に入りますと、体の免疫機能がHIVを侵入者として認識して、無毒化して体内から排除しようと働きます。
体の免疫機能が勝てば、HIVは無毒化されて体内から排除されます。
その結果、HIVの感染は防止され、HIVの感染を示す『HIV感染抗体』は出来ません。
従ってHIV抗体検査を実施しても、抗体検査は陰性となります。
しかし、この場合、HIVに体の免疫機能が打ち勝っても、感染を防止する『HIV中和抗体』は出来ません。
体の免疫機能が負ければ、HIVの感染が成立して、やがてHIV感染を示す『HIV感染抗体』が体の中に出来ます。
その結果、HIV抗体検査を受ければ、抗体検査は当然のことながら陽性となる訳です。
体の免疫機能はHIVの感染を示す『HIV感染抗体』を作り出しますが、感染を防止する『HIV中和抗体』を作ることはありません。
中和抗体の働きについて
麻疹(ハシカ)を例にとって解説してみますと、 麻疹ウイルスが体の中に入り、感染して発病しますと、まず『麻疹の感染抗体』が出来ますが、麻疹が治癒すると、 『麻疹の中和抗体』が出来ます。
その結果、次ぎに麻疹ウイルスが体内に入っても、『麻疹の中和抗体』が麻疹ウイルスを殺して、排除することから 再び麻疹ウイルスに感染することがありません。
ところがHIVには、感染を示す『HIV感染抗体』はありますが、HIVを殺して排除する『HIV中和抗体』はありません。
HIVには本当に中和抗体は存在しないのか
HIV感染者においても、他のウイルス感染症同様、HIV特異的な中和抗体が産生されますが、 HIVはウイルス自身の逆転写酵素の特性上、高率に突然変異が起こることと、ウイルス間での遺伝子組み換えが生じる ことなどのために、中和抗体に耐性を持つウイルスが、比較的速やかに選択されてしまいます。
そのため、多くの感染者で誘導される中和抗体は、抗体が検出された時点より数ケ月前に存在したHIVに対しては 中和活性を示しますが、抗体が検出された時点のウイルスは中和できないものが大部分となります。
その為多くの感染者では、特異的な中和抗体が産生されているにもかかわらず、ウイルスの増殖を抑制し、 排除することができないという現実があります。
そのことからHIVに対する中和抗体は、存在しないと言われています。
23.感染抗体と中和抗体とは何か?
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