25.偽陽性反応・偽陰性反応・判定保留とは−2.偽陰性反応−
偽陰性反応の定義
検査において本来は陽性であるにもかかわらず陰性となってしまうことを、偽陰性反応と言います。
偽陰性反応が起きるのは感度の低い検査によく起きますが、検査を受ける時期が早すぎても起きます。
HIV検査による偽陰性反応
スクリーニング検査に使用されるHIV検査は、偽陰性反応を防ぐために極めて感度を高くしていますから、 検査を受ける時期を間違わなければ偽陰性反応が起きることはありません。
・リアルタイムPCR検査は、不安な行為から11日以降。
・第四世代の抗原抗体検査は、不安な行為から30〜50日以内でのHIV-1の抗原の検出。
・抗体検査は、不安な行為から12週以降でのHIV-1/-2の抗体の検出。
※不安な行為をしてからHIV検査を受ける時期が早すぎると、体内に検査で検出できる量のHIV抗体が十分できていないことから、 本来HIVに感染していても陰性(偽陰性)となってしまいます※
HIV検査の偽陰性反応の率は、使用する検査キットのメーカによって異なることはありません。
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梅毒血液検査による偽陰性反応
STS検査で偽陰性反応が起きる原因としてはやはり受ける時期が早い場合です。
不安な行為から4週前に検査を受けると、血液中にカルジオリピン抗体の量が少ないことから、 梅毒トレポネーマに感染していても陰性となってしまいます。
生物学的偽陽性反応が起きにくい梅毒の確定診断に使用されるTP(Treponema pallidum)を抗原としたTPHA法(梅毒血球凝集反応) とFTA-ABS法(梅毒蛍光抗体吸収法)もやはり検査を受ける時期が早すぎると、血液中のTP抗体の量が少なく梅毒トレポネーマに 感染していても陰性となってしまいます。
特に気をつけなければいけないのは、保健所等で実施している梅毒の即日抗体検査です。
この即日抗体検査は、TPを利用した検査法ですから不安な行為から6週以前に受ければ 梅毒トレポネーマに感染していても陰性となってしまいますから、6週以降に受ける必要があります。
偽陰性反応を防止する対策
※それぞれの検査の持つ最適な受ける時期を守れば、偽陰性反応に遭遇することはありません。※
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