29.HPVワクチン男性にも接種!!
2020年11月末時点でのHPVワクチン接種の日本の現状
子宮宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐ予防ワクチンとしてのHPVワクチンは日本では女性のみが接種対象として承認されていて、 現時点では男性は接種を希望しても公費では受けることができません。
女子においても公費で受ける定期接種は、小学校6年生から高校1年生が対象となっています。
諸外国の現状
しかし、HPVは男性もかかる中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなどの原因となることでも知られていて、世界的に見ても77ケ国が男子接種を承認し、 アメリカ、イギリス、オーストラリアなど24ケ国で公費接種も行われています。
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何故HPVワクチンを男性にも接種する必要があるのか
※HPVは異性間・同性間を問わず性的接触で感染します、特に中咽頭がんは日本で年間約1800人が診断され、男性が女性の5倍との報告があります※
※HPVは性経験のある人の80%が感染しているというデータもあることから、性行為を初めてする前に接種することが大切です※
日本においても男性への接種を公費で行えるようにするべきと、当サイトではかなり前から発言しています。
今後日本国内ではどうなりそうなのか
今般、HPVワクチン「ガーダシル」を製造販売しているMSD株式会社が男性への適応拡大を承認申請しているのを受けて、 厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は遅まきながら2020年12月4日、男性接種への適応拡大について審査することを決めたようです。
早急に審査して男性にも公費でHPVワクチンが接種できるようにしてほしいものです。
ガーダシルとは
ガーダシルは2011年8月26日に発売されたHPVワクチンです。 ガーダシルはサーバリックスに次いで、日本で2番目に発売された子宮頚がん予防ワクチン(HPVワクチン)です。
ガーダシルには子宮頸がんの原因となるHPV16型・18型に加え、尖圭コンジローマの原因となるHPV6型・11型をも予防する効果があります。
HPVには100種類以上の型があり、15種類程度のウイルスはがんを引き起こす可能性が高いため「高リスク型」と呼ばれていて、 中でも「16型」と「18型」が子宮頸がんの約65%を占めており、ワクチンによる予防のターゲットにされています。
ガーダシル世界123の国と地域で承認されており、世界中で最も広く使用されているHPVワクチンです。
※2020年7月に日本で承認されたガダーシル9は、ガーダシルの4型に加えて31、33、45、52、58型の感染も予防する効果があり、日本国内ではシルガード9として販売されてます※
男性にHPVワクチンを接種する利点とは
HPVは女性だけが感染するのではなく男性にも感染します、そのことから男性に 接種することにより男性から女性への感染予防にもなります。
男性にHPVワクチンを接種の効果とは
米国ではHPV9ワクチンを9歳から26歳の男女への投与を推奨していましたが、2018年10月にはさらに27歳から45歳の男女への接種も承認されました。
45歳まで引き延ばされた理由として、はやはりワクチンによるHPV関連癌の発病がこの年齢まで抑えられる可能性が高いことが臨床研究により明らかにされつつあるからです。
HPVワクチンの効果としては、CDCが発表したデータでは、アメリカの13歳から19歳の女子の子宮頸がんの発病例が83%も減少し、 20歳から24歳でも66%減少し、さらに10〜20代の女子の子宮頸がん検診では前癌病変の症例の減少、男女の性器・肛門の尖圭コンジローマもどの年代でも著しく減少していたと報告されています。
2020年12月4日、男性にHPVワクチン使用了承
2020年12月4日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会は、HPVワクチンの"ガーダシル"を男性への使用を認めることを了承しました。
このことから2020年12月中にも男性への接種が正式に承認されます。
日本もやっと先進国の仲間入りしたことになります。
追加
2020年12月7日、上記赤字部分(2020年12月4日、男性にHPVワクチン使用了承)を追加。
29.HPVワクチン男性にも接種!!
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