針刺し事故とは

針刺し事故は、使用した注射針を刺した場合を言い、未使用の注射針を刺した場合は針刺し事故とは言いません。

針刺し事故とは出血がなくとも注射針を深く刺した時、または創が皮下に到達し、受傷部位からの出血が確認できる状態のものであり、 単に針が皮膚をかすった程度は、針刺し事故として扱う必要はありません。

【注意】

※医療機関の定める針刺し事故対応マニュアルによっては、単に針が皮膚をかすった場合でも労災の関係上針刺し事故として対処しているところもあるようです※

針刺し事故の場合痛みはあるのか??

針刺し事故の場合は、針を指した箇所に必ず鋭い痛みがあります。

全く痛みの伴わない針刺し事故はないと考えて下さい。

針刺し事故は日常生活でも起こり得るのか?

針刺し事故は医療現場でし起こらず、日常生活では起こることはありません。

【医療現場とは】

医療機関での採血・注射・手術・予防接種

日常生活で縫い針・虫ピン・画鋲などの針を刺すことは、針刺し事故とは言いません、単なる自分自身への針刺しです。

針刺し事故による感染率

1.HIV・・約0.3％

2.HCV・・約２％

3.HBV・・1)HBe抗体陽性陽性の場合約10%

　　　　 2)HBe抗原陽性陽性の場合約40%

4.梅毒トレポネーマ・・梅毒トレポネーマの針刺しで感染した事例の報告はありませんが、理論的にはありえますがほとんど対策はされていません。

5.ＡＴＬ（成人Ｔ細胞白血病）・・針刺しで感染するのか、明確になっていませんので対策をしている医療機関はまずありません。

針刺し事故による感染事例

1.HIV 2001年９月、東京都内の大学病院の清掃作業員（57歳男性）が、体調不良で今年5月に受診した結果、ＨＩＶ感染しエイズを発症していることが判明し、数日後に死亡したために、 感染経路については特定されていません、ただ「病院の手術室で清掃中に何回も注射針などで針刺しがあった」と医師に話していたということしか判明していません。

2021年12月時点、針刺し事故によるHIV感染は、医学的には確認されていません。


2.HBV HBV陽性患者での針刺し事故は、知る限りでは1862件発生していますが、正確な感染発症は不明です。

しかし現実は、HBVに関してはB型ワクチンの接種や免疫グロブリン投与などによって最近急激に減少しています。


3.HCV

HCV陽性患者での針刺し事故は、知る限りでは7708件発生しており、28件が発症したとされています。

日常生活で針刺し事故は起こりえるのか

注射器などの医療機器を使用しないことから、日常生活では針刺し事故は理論上起こりえません。

written by 血液の鉄人

記事執筆日

• 2021年12月23日。