32.抗体検査の考え方
抗体検査の考え方
抗体には感染抗体と中和抗体の2つがあります。
感染抗体とは、そのウイルスに感染したときにできる抗体で、感染の指標となります。
中和抗体とは、そのウイルスを体内から排除したり、無毒化する抗体です。
各ウイルスに関する抗体検査は、それぞれのウイルスによってその意味は異なります。
HBV・HCV・HIV・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体検査の持つ意味について以下に解説します。
HBVの抗体検査
BVの抗体検査は、HBs抗体検査です。
HBs抗体は、HBVに対する中和抗体です。
HBVの表面抗体は過去の感染やワクチン接種による免疫の指標となります。
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HCVの抗体検査
過去と現在のHCVに対する感染の指標となります。
HCVに感染すると治療を行わない限り、HCVが体内に存在する限りHCV抗体は陽性のままとなります。
HCV抗体は中和抗体ではなくHCVの感染を示す感染抗体です。
HIVの抗体検査
HIV抗体陽性は、感染抗体で現在の感染の指標となります。
HIVに感染するとHIV抗体は、治療により低下しますが、HIVが体内に存在する限り完全には陰性にはなりません。
HIV抗体は感染予防抗体ではなくHIVの感染を示す感染抗体です。
新型コロナウイルス
抗体検査は基本的に過去の感染の有無の指標となります。
新型コロナウイルスに対する中和抗体は、感染後時間経過とともに低下して行きます。
この感染予防抗体は、低下していくことから再感染することとなり、過去に感染した人もワクチン接種が必要になるのです。
※自然感染およびワクチン接種による抗体がどの程度持続するかは十分に明らかとされていません※
※自然感染後の抗体は数ヶ月以上持続するとのデータはありますが、感染予防効果や重症化抑制効果の持続は不明です。
※中和抗体を保有していても、抗体量や体調によって新型コロナウイルスに感染する可能性はあります※
※どれくらいの量の中和抗体が新型コロナウイルスの発症防止に十分であるかはまだわかっていません※
written by 血液の鉄人
記事執筆日
2022年5月1日。
32.抗体検査の考え方
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