膿精液症
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今回の記事について
今回取り上げました『膿精液症』は、一応性感染症ではありませんが、これは男性不妊症の原因の一つであることから 注意を喚起する目的で取り上げましたので是非ともご一読下さい。
正常な精液の色調
正常な状態では、精液は白色で灰色がかった白色とも表現されています。
精液の色は健康状態や食事などで変化することがあります。
精液中に膿(白血球の死骸)や生きている白血球が大量に混入すると、精液の色が黄色や緑色になります。
細菌感染により、精液から悪臭がする事もあります。
その他アルコール摂取や薬物、尿の混入、激しいセックスやオナニーなどでも色は変わりますが、色調だけでなく質感がドロッとしたゼリー状に変化することもあります。
精液の中で、前立腺液は白っぽく、精嚢液は黄色っぽい色調をしていて、射精した直後はそれらが完全に混ざり切っていないため、黄色っぽく見えてしまう場合がありますが、多くは問題ない場合が多いです。
膿精子症とは
膿精液症とは、精液中に白血球が増加して起こる症状で、男性不妊症の原因の一つです。
精液1mlあたり10の6乗個以上の白血球が含まれている場合を膿精子症と定義され、精液が黄色く濁っているのが特徴です。
精液中の白血球は精子を食べてしまったり、運動率を低下させたりするため、精子が受精しようとするのを妨げます。
膿精液症では精子濃度は正常であるが、精子運動率が低く、精子奇形率が高い傾向にあります。
膿精液症の原因
膿精液症を引き起こす疾患としては細菌感染などによる炎症性疾患などが一般的になります。
精路に炎症性疾患が発生した場合に精液中に白血球が混入し、 前立腺炎から精嚢炎などに炎症が波及すると症候性膿精液症を副次的に発症する事があります。
膿精液症は何故不妊原因となるのか
白血球は、精子の頭部にあるDNAにダメージを与えることにより、DNA損傷を引き起こし、更に尾部)にもダメージを与えるために運動率低下が起こり、そのために男性不妊症の原因となるのです。
膿精液症の診断基準
膿精液症の診断は精液中の白血球の濃度によって判定されます。
具体的にはペルオキシダーゼ陽性白血球が精液1mlあたり10の6乗個以上見られる場合に膿精液症と診断します。
膿精液症の療法
前立腺炎、精嚢炎などの細菌性副性器感染症が疑われる場合は、抗生剤などの投与が検討されます。
抗生物質や前立腺の炎症を抑えるエキス製剤などで治療をする場合もありますが、原因不明の場合もあり治療が困難な事例もあります。
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膿精液症が疑われる場合
性行為を行った後、急に黄色っぽい精液が出るようになった場合は、性感染症の可能性が考えられますので、射精された精液が黄色く濁っている場合は、迷わず受診されることです。
診療科
泌尿器科
記事執筆日
2024年07月31日
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written by 血液の鉄人
膿精液症│
性行為感染症と間違われやすい病気??!!
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新 医学と切手の極意