膿精液症
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今回の記事について
今回取り上げました『膿精液症』は、一般的には性感染症ではありませんが、中には性感染症が原因で起こることもあり、 不妊の原因ともなりますので注意を喚起する目的で取り上げましたので是非ともご一読下さい。
膿精液症とは
膿精液症とは、精液中に白血球が混ざっている状態になる病気で感染症などが原因の場合と、原因がはっきりしない場合とがあります。
一般的に、精液1mlのうちに白血球が100万個以上ある場合を膿精液症として診断します。
膿精液症の起こる原因
正常な精液は精漿と呼ばれる液体成分がおよそ90%を占め、そこに細胞成分である精子が含まれて構成されています。
本来血液中に含まれる細胞である白血球は精液中には含まれていませんが、膿精液症では細菌感染症などの何らかの原因によって白血球が精液中に混ざってしま った状態なのです。
膿精液症を引き起こす原因としては、一般的には大腸菌などの細菌や結核菌などが考えられますが、細菌感染では、精嚢腺や前立腺、尿道、精路など、さまざまな部位の炎症が起こり この炎症によって増加した白血球が精液へと流れ込むことで膿精液症になります。
また、性感染症であるクラミジアや淋菌も同様に精嚢や前立腺の炎症を引き起こし膿精液症を引き起こす可能性があります。
膿精液症の症状
精液中に混入した白血球は、その精液内の精子の運動率を低下させ、其の結果精子の運動率が低下すると、 精子が卵子にたどり着く可能性も低下しますので、妊娠が成立しにくくなります。
膿精液症を治療しないで放置することで、精子の運動率の低下はどんどん悪くなり、 精子無力症を合併すると、一段と妊娠しにくくなります。
自覚的なものとして、膿精液症のわかりやすい症状は、精液の色が黄色くなることですが、通常の場合でも精液は少し黄みを帯びていることや、 元々の精液の色に個人差があること、膿精液症になっても精液の色がほとんど変わらない例もあることから、自己判断が難しい場合もあります。
膿精液症の原因が感染症によって引き起こされた場合は、排尿痛や違和感、残尿感などの症状を伴うこともあります。
膿精液症の治療
治療としては、白血球を増加させている原因に対しての治療をします。
細菌感染やクラミジア感染など、その原因に合わせた抗生物質が処方されます。
抗生物質を1〜2週間ほど使用することで膿精液症の原因となる感染症による炎症を抑え、感染症が治癒し精液内の白血球数が正常値にまで戻れば治療が終わります。
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膿精液症が疑われた場合の対処法
膿精液症は炎症によるものといっても、基本的に自然治癒するものではありませんので、放置しておくことで精子の運動率の低下、さらには精子無力症へと発展し進行すると 人工授精や体外受精などの手段を取るしかなくなってしまうこともありますので、膿精液症ではできるだけ早い治療を行うことが大切となります。
膿精液症と男性不妊症
膿精液症になり精液中に白血球が存在すると精子の運動能や貫通性が低下する事があり、 本疾患自体が男性が原因の不妊症すなわち男性不妊の原因になる場合があります。
精液が黄色くなっているなど、膿精液症を疑う症状がある場合には、まず泌尿器科を受診し、精液検査を受け精液内の白血球の量を検査する必要があります。
受診診療科
泌尿器科
記事執筆日
2024年09月23日
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written by 血液の鉄人
膿精液症│
性行為感染症と間違われやすい病気??!!
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