HTLV-1について
さくら検査研究所
HTLV-1とは何?
HTLV-1(Human T-lymphotropic Virus-T:ヒトTリンパ球向性ウイルス1型)とは,ヒトに感染するウイルスの一種で,
ATL(adult T-cell leukemia:成人T細胞白血病)やHAM(HTLV-1-associated myelopathy:HTLV-1関連脊髄症)等を引き起こすウイルスです。
※HTLV-1は、レトロウイルスの一種で、同じ仲間のウイルスとしては、HIVが有名ですがHIVとHTLV-1は全く別のウイルスです※
HTLV-1は、人の白血球の一種であるT細胞に感染して細胞をがん化させます。
HTLV-1に一旦感染するとウイルスを体内から排除することはできません。
HTLV-1の感染様式
HTLV-1は感染力が極めて弱いウイルスのため、HTLV-1に感染したTリンパ球が生きたままの状態で大量に体内に入らなければ感染は起こりません。
※これはcell-to-cell infection(細胞から細胞へ感染)のためだといわれています※
発症率
成人T細胞性白血病の生涯発症率は感染者全体の2.5〜5%程度と言われています。
HTLV-1が体の中に入っても,発病する人はほんの一部で、感染からおよそ40年以上(平均55年)を経過したキャリアから年間およそ1000人に1人の割合で発症しているといわれています。
この病気の特徴は40歳代〜60歳代に多く発病し、白血球の一種のT細胞がガン化し、患者の多くは発病すると急速に悪化し、患者のおよそ50%は半年以内に、残りの殆ども2年以内に死亡します。
しかしHTLV-1に感染した人が全て成人T細胞白血病になるとは限りません。
特に成人になってからHTLV-1に感染した人で、成人T細胞白血病を発症した人はいません。
逆に子供の時にHTLV-1に感染して、キャリアとなり成人してから成人T細胞白血病を発症する人がほとんどです。
HTLV-1感染者の5〜10%が40年以上と極めて長い潜伏期間を経て、成人T細胞白血病を発病します。
そのため40歳以下で発病することは殆どありません。
感染経路
感染力が極めて弱く、HTLV-1感染した血液細胞が生きたままの状態で大量に体内に入らなければ感染しません、
そのため日常生活で感染することはなく、感染経路は、主に"母乳による母から新生児への感染"や、"性行為での感染"、"輸血での感染"の3つに限られます。
輸血に関しては、1986年から検査が行われていることから日本国内での感染はありません。
母乳からの感染は免疫力の未熟な乳幼児が日々飲むことになり感染しますが、免疫力の出来上がっている成人が母乳を飲んでも感染はしません。
性行為による感染について
特に長期間に渡って同じ人との交渉が続く夫婦間での感染が多いことが知られています。
夫が感染者の場合、結婚後数年以内に20〜25%の妻が感染すると言われていますが、逆に妻が感染者だった場合の夫へ感染はかなり少ないようです。
これはHTLV-1感染細胞が精液中に多く存在するためと考えられています。
一般的にHTLV-1は男性から女性へ感染しますが、ペニスに性行為感染症が有り、ペニス粘膜に潰瘍が存在する場合には、女性から男性への感染が起こることが報告されています。
性行為によるHTLV-1の感染を防ぐには
どちらかがHTLV-1の感染者であればHTLV-1に詳しい医師を交えてよく話し合って自分たちにあったライフスタイルを見つける必要があります。
感染が気になる場合はコンドームの使用で高い確率で感染は防げます。
【夫婦間での感染の実態】
HTLV-1キャリアである日本人719人(男性275人,女性444人)およびその家族を対象とした研究では,10年間での夫婦間の感染率は,
夫から妻への感染が60.8%,妻から夫へは0.4%であったと報告されています。
これらの知見は,夫婦間の感染においてもそのほとんどがHTLV-1キャリアの男性から女性への感染であるという事実を裏付けていますが,
一方でHTLV-1キャリアの女性から男性へと感染するケースも存在することを示しています。
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written by 血液の鉄人