ボーエン様丘疹症について
ボーエン様丘疹症とは何ですか?
- ボーエン様丘疹症は男女の外性器や肛門周囲の粘膜・皮膚移行部に出来る褐色から黒色調の自覚症状に欠ける丘疹で、 ヒトパピローマウイルス（human papillomavirus：HPV）の感染による腫瘍です。
- この感染症は、20〜30歳代の比較的性活動の盛んな年代に多く見られ，病変からは子宮頸癌から検出されるハイリスク群のHPVが検出されることが多い。
- しかし，このボーエン様丘疹症が進行がんに進展することはあまり高頻度ではなく，自然消退も期待できる疾患です。
- ボーエン様丘疹症は性行為感染症として、とくに摩擦部にできるものなので感染する病気と考えた方が良いでしょう。
- 従って性行為感染症に分類されます。
ボーエン様丘疹症を引き起こすウイルスとは?
- ボーエン様丘疹症は、尖圭コンジローマと同じくHPVによる性行為感染症ですが、HPVの型が異なり、16型など高リスク型が関係しています。
- 尖圭コンジローマが低リスクタイプ（6型、11型など）の感染がに関与するのに対し、ボーエン様丘疹症は高リスクタイプ（16型が多く、その他18型、31型、33型など）の感染が原因となります。
- しかも、長期間放置するとボーエン病（陰部にできるものをケイラー紅色肥厚症と言います）や有棘細胞ガンというガンに伸展していく可能性があります。
感染経路
- 性行為によって感染します。
潜伏期間
- 感染してから症状が出るまで数か月〜数年かかります。
感染部位
- 男性の場合、亀頭部、包皮、陰茎、陰嚢、鼠径部、肛門周囲 。
- 女性の場合、外陰唇、内陰唇、鼠径部、肛門周囲。
症状
- 褐色〜黒色の小豆大程度までの扁平な隆起性病変が出現し、徐々に増えていきますが、基本的には痛みや痒みはありません。
検査
- 一部を切り取り病理検査を行います。
ボーエン様丘疹症を治療しないとどうなるのですか？
- 症状がどのように進行するかは個人差がありますが、ボーエン様丘疹症を放置しておくと、人によってはイボの数が増え、患部が広がることがあります。
- 高リスク型のHPV16型や18型による感染は、子宮頸癌や陰茎癌との関連性が示唆されていますので、放置すると将来子宮頸癌や陰茎癌になるリスクがあります。
治療法
- 基本的には治療は尖圭コンジローマと同じで、液体窒素による凍結療法（1〜2週間に1回、複数回）を行います。
- レーザーなどによる治療法もありますが、実施していない医療機関もあります。
ボーエン様丘疹症の検査はいつ受けたらいいのですか？
- 潜伏期間は３週間から数ヶ月の長期に渡ることがあり、感染源を特定できないこともしばしばあることから、検査を受ける時期は難しく、イボが出来てから受けるしか方法がありません。
受診診療科
- 皮膚科が基本ですが、性病専門科、泌尿器科も対象となります。
ボーエン様丘疹症の検査はパートナーと二人でなぜ受ける必要があるのですか？
- ボーエン様丘疹症を放置しておくと、大切なパートナーに感染させてしまう恐れがあります。
- そのことから「もしかしてボーエン様丘疹症？」と思ったら、すぐに受診し、診断結果が出て治療が終わるまでセックスは避けたほうが良いでしょう。
- あなたが感染していたら、パートナーも感染している可能性がありますので、必ず受診して下さい。
- パートナーの子宮頸癌検診も必要です。
ボーエン様丘疹症に感染しているとHIVに感染しやすいのですか？
- 通常の性行為ではHIVの感染率は平均２％前後と言われていますが、尖圭コンジロームになるとHIVに感染するリスクが数倍〜百倍高まると言われていますが、 >ボーエン様丘疹症になるとリスクが高くなるかどうかははっきりしていません。
- 念の為に>ボーエン様丘疹症になったら、>ボーエン様丘疹症の治療と併せてHIV検査を受けることを強くおすすめ致します。
ボーエン様丘疹症の感染予防はどうすればよいのですか?
- ボーエン様丘疹症は、原因となる人乳頭種ウイルス(HPV)が主にセックスやオーラルセックスで感染するため、予防にはコンドームの使用が大切です。
- しかし、会陰部や外陰部、肛門など、ボーエン様丘疹症がコンドームでカバーできない範囲にある場合、感染を予防することは難しいとされています。
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記事執筆日
- 2021年４月11日。
written by 血液の鉄人
ボーエン様丘疹症について│性行為感染症Q&A｜新 医学と切手の極意