性感染症のための10章
−5.耳梅毒の10章−
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以下本文
性感染症のための10章記事について
今回から連載する『性感染症のための10章記事について』は、各性感染症についての疑問を10章に要約してわかりやすく解説していくことを 目的で連載していきますので是非とも続けてご一読下さい。
第5回目は『5.耳梅毒の10章』です。
1.梅毒トレポネーマは神経に感染する
梅毒トレポネーマは神経に感染しやすく聴覚に関連する神経に炎症が生じ聴覚が障害されることもあり、これを耳梅毒といいます。
2.耳梅毒になると自覚症状はあるのか
耳梅毒が原因で聞き取りにくくなる場合は、音がはっきり聞こえるのに「語音明瞭度」が低下し、「お」「わ」「あ」などの聞き間違えが増える点が特徴です。
耳梅毒は、一般的に耳鳴り、めまい、感音性難聴などの症状を引き起こし難聴は片側または両側性で、突然発症し、急速に症状が進行することもあり、場合によっては聴力が失われる可能性もあります。
3.耳梅毒は一般の聴力検査で見つけられるのか
一般的な聴力検査ではまず見つけられません、見つかった事例もありますがこれはあくまでもラッキーなケースです。
耳梅毒の適切な診断のためには、梅毒トレポネーマに感染するような行為をした経歴、あるいは梅毒感染歴などを耳鼻科医に自己申告するしか手段はありません。
4.耳梅毒の患者は多いのか
実質の患者数は明らかになっていませんが、内外の研究者により以下の報告がなされています。
1.前庭外来患者の4.2%に耳梅毒が見られた。
2.めまい外来患者の2.8%に耳梅毒が見られた。
3.原因不明の感音難聴の6.5%に耳梅毒が見られた。
4.難聴やめまいを主訴とする患者の3〜6%に耳梅毒が見られた。
5.今後耳梅毒は増加するのか
現在の梅毒の大流行を加味すると今後耳梅毒は増加すると危惧されている。
6.メニエール病でも耳梅毒が認められているのか
メニエール病の人に中にも耳梅毒は認められていることから、メニエール病と診断された人で過去に梅毒トレポネーマに感染するような行為を行った人は注意が必要となります。
7.耳梅毒は治療しなくても治る
自然治癒はしません。
治療しないと悪化の一歩をたどりやがて聴力が失われる可能性もあります。
8.耳梅毒の治療は
神経梅毒と同じ治療を行います。
水溶性ペニシリンやベンジルペニシリンプロカインなどの抗生物質の点滴や筋肉注射が行われます。
9.耳鳴り・めまいや難聴があれば耳梅毒を疑う
現在の梅毒の大流行を加味すれば、耳鳴り・難聴・めまいの訴えがあれば内耳梅毒を鑑別に入れる必要があることが指摘されています。
耳梅毒は耳鳴りがほぼ起こることから、梅毒トレポネーマに感染するような行為をした、梅毒感染歴があれば耳梅毒を疑う必要があります。
10.耳梅毒の血清学的検査
血液と髄液のSTS検査とTP検査を実施する。
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記事執筆日
2025年02月06日。
written by 血液の鉄人
性感染症のための10章−5.耳梅毒の10章−
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