性感染症のための10章
−8.HIV検査の10章−
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以下本文
性感染症のための10章記事について
今回から連載する『性感染症のための10章記事について』は、各性感染症についての疑問を10章に要約してわかりやすく解説していくことを 目的で連載していきますので是非とも続けてご一読下さい。
第8回目は『8.HIV検査の10章』です。
1.HIV検査とは
HIVの感染を見つける"スクリーニング検査"と、HIVの感染を確定する"確認検査"があります。
2.HIVスクリーニング検査とは
HIVの感染があるか否かを判断するために行う検査です。
3.HIVスクリーニング検査の種類
1.第三世代の抗体検査・・・※2023年以降第三世代の抗体検査はほとんど使用されていません※
2.第四世代の抗原抗体検査・・機械で検査する方法とイムノクロマト法による簡易検査があります。
3.迅速(即日)抗体検査・・イムノクロマト法による簡易検査
4.リアルタイムPCR検査
4.確認検査
1.ウエスタンブロット法・・感度が低いことから現在では殆ど使用されていません。
2.HIV-1/2抗体確認試薬(Geenius:ジーニアス)・・HIV-1/2抗体を測定する方法で、HIV-1とHIV-2の鑑別も可能です。
3.リアルタイムPCR検査・・血液中のHIV-1の遺伝子、あるいはリンパ球の遺伝子中に組み込まれているHIV-1遺伝子をPCR法で増幅してHIV感染の有無を判定します。
5.HIV抗体検査を受ける正しい時期
HIVの検査は受ける時期が大切で、受ける時期を間違えば信頼できる結果は得られません。 不安な行為から12週以降に受ければHIV-1とHIV-2に対する信頼できる結果が得られます。
6.第四世代の抗原抗体検査を受ける正しい時期
不安な行為から30〜50日以内に受ければHIV-1に対する信頼できる結果が得られます。
※50日を経過すると血液中のHIV-1の抗原量が少なくなるので、感染していても陰性(偽陰性反応)となることがあります※
ただし、HIV-2の感染の判断は出来ません。
7.リアルタイムPCRを受ける正しい時期
不安な行為から11日以降何時受けても信頼できる結果が得られます。
※ただし、HIV-2の感染の判断は出来ません※
8.NAT検査とは
核酸増幅検査(Nucleic acid Amplification Test:NAT)のことで、血液センター専用の検査法で医療機関では受けることはできません。
献血血液にHIVが存在していた場合に、HIV遺伝子を構成する核酸(DNAまたはRNA)の一部を約1億倍に増幅して検出する方法です。
NAT検査は、HIV-1/-2ともに検出可能です。
NAT検査とリアルタイムPCR検査は全く別の検査法です。
9.HIVスクリーニング検査の偽陽性反応(偽の陽性反応)とは
スクリーニング検査は、感染者を見逃さないために検査の検出感度を高くしてあるのでどうしても偽陽性反応が出現します。
そのためにスクリーニング検査で陽性になると本当の陽性と偽の陽性を見分けるために確認検査が必要となります。
僞陽性反応が出ないように検査の感度を低くすると、今度は真のHIV感染者を見逃すことになってしまいます。
10.HIV検査の感度と特異度とは
HIV検査の有用性を評価する指標として感度と特異度がありますが、感度及び特異度は特定の疾患(この場合HIVを例にとって話を進めます)について、 その検査がHIV感染の有無をどの程度正確に判定できるかを示す定量的な指標ということになります。
そして感度とは、
HIV感染者中の検査陽性者を検出する割合を言います。
要するにHIV検査の感度が高いということは、HIV感染者の大部分が検査陽性になることを意味しています。
従って検査の感度が高ければ、HIV感染者の中で検査が陰性になるものすなわち偽陰性者が少ないということになります。
感度が高いHIV検査は、HIV感染者のほとんど見逃すことがなく、HIV感染者の発見率が高い検査といえるのです。
逆に、感度が低いHIV検査はHIVに感染していたとしても陰性と判定される可能性が高いことになります。
HIV感染者を見逃すリスクの高い感度の低い検査は、HIVスクリーニング検査として利用できません。
※感度の低いHIV検査は、HIVの感染を見つける能力が低いため陽性者を見落とすことが高いことからスクリーニング検査には使用できないのです※
次に特異度とは、
臨床検査の正確さを決める指標のひとつで、ある検査について"本来陰性であるべきものを正しく陰性と判定する確率"として定義されています。
すなわち特異度が高いということは、その疾患に罹患していない人の大部分が検査で陰性になることを意味しています。
HIV検査で特異度が高ければ高いほどニセの陽性者が少ないということになります。
従って特異度の高いHIV検査は、HIVに感染していない人を陽性と判断することはまずないと言えます。
そのため陽性と判断されることがほとんどないHIV検査で陽性と判断されれば、絶対にHIVに感染していると診断することができます。
感度が高いHIV検査で陰性となれば、HIVに感染している確率は低いと言えますが、特異度が高いHIV検査で陽性となれば、HIVに感染ししている確率が極めて高いと言えます。
特異度の高いHIV検査は、確認用検査として利用されます。
感度の高いHIV検査でスクリーニング実施し見落としを防ぎ、特異度の高いHIV検査で確認検査を行い真のHIV感染者を見つけるわけです。
1.特異度が高いHIV検査とは、「HIVに感染していない人を正しく陰性と判定する可能性が高い」、あるいは「本来HIVに感染していない人を間違って陽性と判定する可能性が低い」ということになります。
2.しかし現実は特異度の高いHIV検査で陽性となった場合必ずしも全てが真の陽性とは言えません、なぜなら特異度100%のHIV検査は存在しないからです。
3.従っていくら特異度の高いHIV検査でもニセの陽性反応は存在します。
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記事執筆日
2025年04月03日。
written by 血液の鉄人
性感染症のための10章−8.HIV検査の10章−
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