移植について







移植についての伝説を紹介します。

古代ローマ時代にコスマスとダミアンの双生児の兄弟がいました。

兄のコスマスは医学を、弟のダミアンは薬学を極め、慈愛の心で優れた医術を施し名声を博しましたが、キリスト教迫害政策をとったローマ皇帝ディオクレチアヌス(在位284〜305)によって、この兄弟は290年頃処刑されました。

コスマスとダミアンは死後も奇跡的な治療を行い多くの信者を集めるようになり、東ローマ帝国皇帝ユスチアヌス一世(483〜565)が、この兄弟への信仰により重病が奇跡的に治癒したことから、聖コスマスと聖ダミアンの名前を冠した教会をコンスタンチノープルに建てました。

6世紀に兄弟が祭られた教会で一人の寺男が足の壊疽で苦しんでいると、兄弟が夢枕に立ち、「この足は取り替えなければならない」と告げ、その日に死亡した黒人の足と取り替えました。

翌朝寺男が目覚めると足は完全に治癒しており、しかも治癒した足は黒く、傍らには切断された自分の壊死で腐った足が置いてありました。

これが今日の移植の原点です。

その後、コスマスとダミアンは『医師と薬剤師の保護聖人』として崇められています。

左下の切手は、スペインの画家の描いた「コスマスとダミアンの奇跡」で天使が切断した足を持ち、聖ダミアンが黒人の足を移植している光景を描いています。

右下の切手は、月桂樹と接ぎ木を前景にして人体臓器の移植を象徴しています。


 
移植関連法律制定記念切手
1978年 ギリシア発行

移植関連法律制定記念切手
1978年 ギリシア発行




 





written by 血液の鉄人



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