メンデルの法則








グレゴール・ヨハン・メンデル(1822〜1884)は、オーストリア・ブリュン(現在のチェコ・ブルノ)の司祭で、植物学の研究を行い、メンデルの法則と呼ばれる遺伝に関する法則を発見し、遺伝学の祖とも称されています。

彼は10年の歳月をかけてエンドウを使用してまとめあげた研究成果を、1865年にブリュン自然研究会において『雑種植物の研究』として発表しました。

この偉大な発表に対して当時は、何の質問もなく、また何の討論もなされませんでした。 この『雑種植物の研究』は、同年ブリュン自然研究会誌に45ページの原著論文として掲載されますが、全く見向きもされず、以後35年間の長きにわたり埋もれたままになります。

彼の発表した法則は、『メンデルの法則』と呼ばれ、遺伝学を誕生させるきっかけとなった法則で、『優性の法則』、 『分離の法則』、『独立の法則』の三つから成り立っています。

『メンデルの法則』は、発見より146年が経過した現時点でもその権威を失わず、現在でも血液型などの医学分野や生物学の分野の遺伝に広く応用されています。

しかし、『メンデルの法則』にも例外は存在します。

ひとつの事例を紹介しますと、

ABO式血液型は、例外なく『メンデルの法則』によって遺伝すると考えられていることから、親子鑑定に応用されてきました。

『メンデルの法則』によりますと、「両親のいずれかがAB型の時には、O型の子供は生まれない」、また「両親のいずれかがO型の時には、AB型の子供は生まれない」事になります。

ところが、ごくまれに例外が存在することが1966年に明らかにされました。

この血液型は、「シスAB型(cisAB)」と呼ばれ、同一染色体にAとBの両方の遺伝子が存在して遺伝するために、AB型とO型の両親からAB型の子供が産まれる事があることが判明しました。

このシスABとO型の両親からは、通常はあり得ないO型やAB型の子供が生まれてきます。

何事にも例外は存在するということです。






メンデルを描いた切手
遺伝の法則発表100年記念切手
メンデルの肖像と
エンドウによる遺伝の法則

1965年 チェコスロバキア発行
医学者切手
メンデルの肖像
1983年 トランスカイ発行
科学者顕彰切手
メンデルの肖像
1939年 ダンチヒ発行








メンデルと遺伝の法則を描いた切手
メンデル死去100年記念切手
メンデルの肖像と
エンドウによる遺伝の法則

1984年 バチカン発行
メンデル死去100年記念切手
メンデルの肖像と
エンドウによる遺伝の法則

1984年 西ドイツ発行
メンデル死去100年記念切手
メンデルの肖像と
エンドウによる遺伝の法則

1994年 オーストリア発行








written by 血液の鉄人



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