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17.丘疹性梅毒
丘疹性梅毒とは
梅毒トレポネーマに感染後4〜6カ月頃、バラ疹が消えてから2〜3週すると、隆起を伴う数mmから1cm程度の大きさの
皮疹が出現することがあります。
その色調は茶褐色に近く、体を中心として手足にも出現しますが、自覚症状は全くありません。
皮膚正面よりも盛りあがった硬い皮疹で、上半身(顔を含める)にあらわれますが、痛みもかゆみもありません。
肛門周囲にできると、表面がただれて白い分泌物が出ます。
これを丘疹性梅毒(きゅうしんせいばいどく)と言います。
この皮疹を丘疹性梅毒疹といいます。
丘疹性梅毒疹の特徴
丘疹性梅毒疹は、梅毒性バラ疹の発生後数週間遅れて発生し、発生部位は顔面,項部,体幹,外陰部,四肢で,
左右対称性に出現するという特徴があります。
手のひらや足の裏にこの丘疹性梅毒疹ができると、丘疹の表面の角質が厚くなり、乾癬という皮膚疾患の症状によく
似てくるので、梅毒性乾癬と呼ばれます。
丘疹性梅毒疹が外陰部や肛門付近のように、皮膚や粘膜が向き合っている場所にできると、丘疹は牛乳のような白い色となり、
表面がただれて分泌液が出てくるので、扁平コンジロームと呼ばれ、この中には大量の梅毒トレポネーマが含まれていて、
性的接触によって梅毒が感染する重要な原因のひとつとなります。
丘疹性梅毒疹が出現する時期には他の症状はあるのか
更にこの時期には、口腔粘膜に乳白色の斑点が生じる粘膜斑(乳白斑)や扁桃が赤く腫れる梅毒性扁桃炎が出現します。
また、丘疹性梅毒から膿疱が多発する膿疱性梅毒に移行することがあります。
この場合全身状態の悪い患者や免疫低下を起こしている場合に起こりやすく、
膿疱性梅毒の患者はHIVの感染が強く疑われることから、HIV検査は必須となっています。
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現在の梅毒の状況と注意すること
一昔前の梅毒は典型的な症状を呈するものが多く、症状から梅毒トレポネーマの感染に気づくことがありましたが、
現在の梅毒は典型的症状を呈さないものが多く、症状から感染に気づくことが殆どないことから、当人は感染に気づくこと無く
さらなる流行を引き起こしています。
不安な行為をしてしまったときには、必ず梅毒検査を受ける必要があります。
梅毒トレポネーマは、キスやオーラルセックスでも簡単に感染してしまいますので、注意が必要です。
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written by 血液の鉄人