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３３．筋注用ペニシリン解禁
日本国内の梅毒患者の現状
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2021年12月19日時点で7528人の梅毒患者が報告されており、依然として大流行がづいています。
この増加傾向は大都市だけにとどまらず地方でも増加しています。
筋注用ペニシリン解禁
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2021年11月25日、持続性ペニシリン製剤のベンジルペニシリンベンザチン水和物が薬価収載されました。
ベンジルペニシリンベンザチンとは
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梅毒の原因菌である梅毒トレポネーマはペニシリンに対する感受性が非常に高いため，梅毒治療にはペニシリンが使用されています。
梅毒トレポネーマの殺菌には，7〜10 日間，一定以上の血漿中ペニシリン濃度を保つ必要があることが一般的に知られていることです。
ベンジルペニシリンベンザチンは、溶解度は極めて低いため，筋注部位から緩徐に放出され，ベンジルペニシリン に加水分解され、この加水分解と穏やかな吸収により、 他の非経口投与されたペニシリンよりも血中ペニシリン濃度は低いものの非常に長い時間持続します。
当然服用するペニシリン剤より効き目が強いことになります。
ベンジルペニシリンベンザチンを240万単位単回筋注(１回注射)することで，少なくとも1週間は有効な血中濃度を維持することができるすぐれた薬剤です。
そのことからベンザチン筋注剤は，日本を除く世界で梅毒の治療に使用されています。
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商品名
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ステルイズ水性懸濁筋注60万単位シリンジ/240万単位シリンジ
適応
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梅毒トレポネーマ感染による早期梅毒及び後期梅毒（神経梅毒を除く）となっています。
用法用量
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1)成人および２歳以上の小児では「早期梅毒に240万単位を単回、後期梅毒に1回240万単位を週１回、計3回を筋注」となっています。
2)２歳以上13歳未満については「いずれも年齢、体重により適宜減量は可能」となっている。
3)２歳未満の小児では「早期先天梅毒及び早期梅毒に5万単位/kgを単回、筋注」となっています。
早期梅毒では単回筋注であり複数回の投与や入院管理も必要とせず、アドヒアランスの低下による治療失敗が考え難いなどの特徴を有しています。
アドヒアランスとは
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患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることを言います。
筋注用ペニシリン解禁による今後の動向
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欧米では梅毒患者の治療に貢献してきた実績が認められています。
欧米で梅毒治療の第一選択薬であるベンジルペニシリンは、早期梅毒には1回投与で治療完了できる優れものですが、日本に はなかったため長期の抗菌薬内服が強いられていましたが、やっと欧米の仲間入りをすることができました。
written by 血液の鉄人
記事執筆日
- 2022年１月９日。
３2.梅毒大流行!!│梅毒アラカルト｜新 医学と切手の極意