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59.梅毒検査における生物学的偽陽性(BFP:Biological False Positive)について徹底的に解説
日本国内での梅毒患者数
2025年10月1日時点での梅毒患者数は10431人と依然として大流行は収まっていません。
今回は梅毒検査における**生物学的偽陽性**についてわかりやすく解説していきます。
生物学的偽陽性(BFP)とは、梅毒トレポネーマに感染していないにもかかわらず、RPRなどの非特異的検査(梅毒トレポネーマを抗原としない検査)で陽性反応が出てしまう現象です。
この現象が起こる理由は、RPR検査が梅毒トレポネーマ(病原体)自体ではなく、病原体が関与する細胞の破壊によって生じる
**「カルジオリピン抗原」**に対する抗体を検出するため、梅毒以外の多くの病態でも反応してしまうために起こります。
BFPの発生頻度について
有病率と検査の種類による変動BFPの正確な発生頻度は、検査を受ける集団の梅毒有病率と偽陽性を持続する期間によって大きく変動します。
@ 集団における頻度
・低有病率集団(一般健常者): 梅毒の有病率が低い集団(例:献血者や一般健診の受診者)では、偽陽性の頻度が実際の梅毒感染の頻度を上回ることが疫学的に知られていて、
この集団では、RPR陽性の多くがBFPである可能性が高くなります。
※特定の研究では、RPRの陽性率は0.01%〜0.2%程度ですが、これらの大半がTPHA陰性のBFPであるとされます※
・高有病率集団(性感染症クリニックなど): 梅毒の有病率が高い集団では、RPR陽性は真の感染である可能性が高くなりますが、BFPも一定数発生します。
A 持続期間による分類(頻度)
BFPは、その持続期間によって分類され頻度が異なります。
・急性BFPは、持続期間は6ケ月未満と短く、特徴としては急性感染症やワクチン接種など、一時的な免疫刺激によるもので、時間とともに自然に陰性化する。
・慢性BFPは、6ケ月以上継続し、その出現は比較的稀で自己免疫疾患などの慢性的な基礎疾患が原因で持続的に陽性を示す。
BFPの原因分析:RPRが反応するメカニズム
RPRが非梅毒性の疾患で陽性になるのは、病態によって体内で**「カルジオリピン抗原」**に対する抗体(またはこれと交差反応する抗体)が産生されるためです。
A. 急性BFPの主な原因(一過性)
原因として最も一般的で、RPRの抗体価は**低力価(8倍以下)**であることが多いです。
原因カテゴリーとしては、
1)伝染性単核球症(EBウイルス)、マイコプラズマ肺炎、ライム病、マラリア、COVID-19などの急性感染症による広範な細胞破壊や、
病原体成分と宿主細胞成分との類似性による免疫の交差反応。
2)インフルエンザワクチンやその他のワクチン接種による、接種強い免疫刺激により、一時的に非特異的な抗体が産生される事により起こる。
3)妊娠、月経ホルモン変動などの生理的状態の一時的な免疫状態の変化が、RPR検査の検出閾値付近で反応を引き起こす。
B. 慢性BFPの主な原因(持続性)
原因として最も重要で、基礎疾患の存在を示唆します。
1)全身性エリテマトーデス(SLE)、抗リン脂質抗体症候群による疾患特有の自己抗体(特に抗リン脂質抗体など)
がRPRの検出対象であるカルジオリピンに反応し、持続的な偽陽性を示す。
2)慢性疾患肝硬変、高齢者(原因不明の軽度免疫異常)による慢性的な組織炎症や免疫システムの異常によって、非特異的抗体が持続的に産生される。
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医学的意義と臨床対応
BFPの知識は、誤った診断と不必要な治療を防ぐために極めて重要です。
◎鑑別の要点: RPRが陽性であっても、TPHAやFTA-abs(梅毒特異的検査)が陰性であれば、梅毒感染はほぼ否定されます。
この結果の組み合わせが、BFPを解釈する上での大前提となります。
◎低力価の意義: RPRが低力価(例:2倍、4倍)であることは、梅毒感染よりもBFPである可能性を強く示唆します。
◎臨床対応: TPHA陰性のBFPと判断された場合、梅毒治療は不要で多くの場合、数ヶ月後にRPRを再検査し、
抗体価が自然に陰性化するかどうかを確認する「経過観察」が最も適切な対応となります。
BFPは、RPR検査の特性(高い感度と低い特異性)に由来するものであり、特に臨床症状や他の検査結果と照らし合わせて総合的に判断することが不可欠です。
臨床上のポイント(簡潔な結論)
梅毒の検査では、RPR陽性が確認された場合、梅毒特異的なTPHA検査が陰性であれば、その結果はほとんどの場合BFPであり、特にRPRが低力価で性経験がない、
あるいは急性疾患の既往がある場合は、その確率は極めて高くなります。
不必要な治療を避けるためにも、RPRとTPHAの組み合わせによる正確な解釈が不可欠なのです。
まとめ
梅毒検査は、他の一般的な感染症の検査に比べて解釈が複雑であり、
この複雑さに対処できる専門医師(性病科、皮膚科、感染症科など)の減少が、梅毒治療と公衆衛生上の対策を大きく難しくしています。
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written by 血液の鉄人
記事執筆日