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60.性差で異なる?梅毒検査の「生物学的偽陽性反応(Biological False Positive: BFP)」の医学的分析
日本国内での梅毒患者数
2025年10月19日時点での梅毒患者数は11242人と依然として大流行は収まっていません。
今回は性差で異なる梅毒検査の**生物学的偽陽性**についてわかりやすく解説していきます。
1. 「生物学的偽陽性反応(BFP)」の定義と判断基準
梅毒の血液検査において、梅毒トレポネーマに感染していないにもかかわらず陽性となる反応を「生物学的偽陽性反応(BFP)」と呼びます。
判断の組み合わせ: 非トレポネーマ抗原検査(RPR)が陽性で、トレポネーマ抗原検査(TPHA、FTA-ABSなど)が陰性である場合にBFPと判断されます。
2. BFP発生のメカニズム
BFPは、非トレポネーマ抗原検査が梅毒菌の成分ではなく、菌の感染などで体内に作られる**「抗カルジオリピン抗体」という脂質抗体を検出する
非特異的な検査**であるために起こります。
要因:梅毒以外の病気や生理的な要因でこの抗カルジオリピン抗体が作られ、偽の陽性反応を引き起こします。
3. 疫学調査に基づく男女別の出現率の傾向複数の疫学研究
インドの調査からは、非トレポネーマ抗原検査におけるBFPの出現率は男性の方が女性よりも高い傾向にあることが示唆されています。
傾向値の例:女性 0.1%前後、男性 0.44%前後、女性:男性比 0.2:1で男性に傾く。
※血液の鉄人の長年の経験からは、女性の方が男性より高く、しかも若い女性に高い傾向を確認しています※
補足:ただし、一般的な健康な集団でのBFPの発生率は1〜2%程度で、数値は集団の特性により大きく変動する傾向があります。
【参考資料】
『Seroprevalence of syphilis by VDRL test and biological false positive reactions in different patient populations: Is it alarming?
Our experience from a tertiary care center in India』,Indian Journal of Sexually Transmitted Diseases and AIDS,Volume 41, Issue 1, Pages 43-46.2020
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5.男性でBFP率が高い医学的な理由(年齢と検査集団の特性)
BFP率は、年齢や検査を受ける集団の特性にも強く依存します。
年齢要因:高齢化に伴う慢性的な炎症や免疫系の変化が、非特異的な抗体産生を誘発しBFPが多く見られるデータがあります。
集団特性:性病クリニックなどの特殊な集団では、一般集団(献血者、健康診断)よりも炎症を起こす他の疾患を持つ人が多く、
その結果として男性でのRPR反応性が高まり、BFPとして検出されやすくなります。
6.女性の方が男性より高く、しかも若い女性に高い傾向もあるとの報告も存在する
BFPが女性に多く出る要因としては、妊娠や自己免疫疾患(膠原病)**など、非トレポネーマ抗体を産生しやすい
女性特有の生理的・病的状態が挙げられます。
若い女性に高い傾向という現場経験は、特に妊娠中のスクリーニング検査や、膠原病の潜在患者が一般健診などで検出される
ケースを反映している可能性があります。
BFPの診断においては、RPR陽性でもTPHA陰性であれば梅毒感染の可能性は低いと判断し、妊娠の有無や膠原病
などの基礎疾患の有無を確認するための追加検査が重要となります。
7.BFPの臨床的な重要性
梅毒検査でBFPと疑われる結果が出た場合、梅毒以外の何らかの疾患や状態が背景にある可能性を示唆しており、単なる誤診として無視できません。
意味合い:BFPは、背景にある自己免疫疾患や慢性感染症などのスクリーニングサインとなる可能性があります。
8.BFPと診断された場合の臨床的対応
BFPと診断された場合、特に高い抗体価や持続的な陽性が認められる場合は、その背景にある真の疾患を特定するための追加検査が重要となります。
確認すべき疾患:全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患や、HIV、C型肝炎などの慢性感染症の有無を確認することが臨床上のポイントです。
まとめと臨床的な重要性
梅毒検査で「生物学的偽陽性」が出た場合、それは梅毒以外の何らかの疾患や状態が背景にある可能性を示唆していますので、
特に非トレポネーマ抗原検査が陽性であっても、トレポネーマ抗原検査が陰性であれば、梅毒感染の可能性は低いと判断されます。
男女別の出現率の差は、性別による基礎疾患の有病率の違いや、検査を受ける集団(クリニックの種別など)の特性に大きく関連していると医学的に分析されます。
【臨床的対応のポイント】
BFPと診断された場合は、特に高い抗体価の場合や持続的な場合は、**自己免疫疾患(SLEなど)や慢性感染症(HIV、C型肝炎など)**の有無を確認するための追加検査が重要で、
妊婦や特定の高リスク集団では、BFPの可能性を念頭に置き正確な診断と適切なフォローアップが必要となることから、
この複雑さに対処できる専門医師(性病科、皮膚科、感染症科など)の減少が、梅毒治療と公衆衛生上の対策を大きく難しくしています。
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written by 血液の鉄人
記事執筆日